研究課題/領域番号 |
19K15592
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分34010:無機・錯体化学関連
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研究機関 | 北里大学 |
研究代表者 |
神谷 昌宏 北里大学, 理学部, 助教 (40758447)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2021-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2020年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2020年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2019年度: 2,990千円 (直接経費: 2,300千円、間接経費: 690千円)
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キーワード | 鉄錯体 / C-H活性化 / ホウ素化 / 芳香族炭化水素 / ボリル錯体 / 有機合成反応 / DFT計算 / 反応機構解析 / C-H官能基化 / 触媒 / 有機ホウ素化合物 / 鉄触媒 / 錯体 / ホウ素 |
研究開始時の研究の概要 |
地殻中、生体内にも多く存在する鉄は安価かつ低毒性な元素である。そのため、鉄を触媒とする有機合成反応は、金属自体の価格変動に関する懸念が少なく、安全で安定的に産業利用が可能であることから近年注目を集めている。本研究で開発を検討するC-H結合のボリル化反応は有用な有機ホウ素化合物を効率よく得るプロセスの一つであり、鉄触媒を用いた効率的な反応が達成できれば、学術、産業両分野の発展に寄与する。
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研究成果の概要 |
キノリン骨格PNNピンサー配位子を有する鉄錯体存在下、ベンゼンなどの入手容易かつ安価な芳香族炭化水素化合物からボロン酸エステルへのC-Hホウ素化が中から高収率で進行することを見出した。この触媒系は様々な液体、固体の芳香族炭化水素化合物に対して有効であることを明らかにした。また、実験、計算の両面から調査した結果、ジボリル錯体が触媒反応において重要な役割を果たしていることを明らかにした。触媒反応機構についても重要な知見が得られた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本触媒反応により生成するボロン酸やボロン酸エステルは鈴木宮浦クロスカップリング反応における重要な反応基質である。C-Hホウ素化によるボロン酸エステルの合成はイリジウム触媒を用いた手法が広く利用されているが、イリジウムは希少な資源であることに加え、触媒前駆体は空気に敏感であることが知られる。本鉄錯体はイリジウム触媒と同等の活性に加え、空気中でも安定であるため、イリジウム触媒の代替触媒として学術、産業両分野で代替触媒としての利用が期待できる。
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