研究課題/領域番号 |
19K15610
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分34030:グリーンサステイナブルケミストリーおよび環境化学関連
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研究機関 | 東京都立大学 |
研究代表者 |
西垣 潤一 東京都立大学, 都市環境科学研究科, 特任准教授 (60646496)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2021年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2020年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2019年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
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キーワード | 金クラスター / 酸化還元 / 脱水素酵素 / 補酵素再生 / NADH / AuPtナノ粒子 / 金クラスター触媒 / 酸化還元反応 / 酸化反応 / 酵素反応 / 金ナノ粒子触媒 |
研究開始時の研究の概要 |
酸化還元酵素の多くは反応時に化学量論量の補酵素を消費するため原子効率が低く、有機合成への利用が遅れている。そこで不活性化した補酵素を金クラスター触媒により再活性化しこれを克服する。補酵素再生系に金触媒による酸素酸化および水素還元を用いることで補酵素の消費量が低減でき、反応過程全体で基質と酸素(水素)のみを必要とし廃棄物を生じない(水のみ)原子効率が高く極めて環境負荷の小さな有機合成法を実現する。微小化した金クラスターを酸性および塩基性担体に固定した触媒を調製し、酸化および水素化活性の向上を行い、同時に過水素化や基質の二量化等の副反応の抑制を目指す。さらに酸化還元酵素との協奏的触媒系を構築する。
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研究成果の概要 |
生体触媒である酵素は毒性が低く、基質特異的な反応を温和な条件下で達成する優秀な環境調和型触媒である。しかし、多くの酸化還元酵素において反応に要求される補酵素がコストを増大させ、有機合成への応用の障壁となっている。代表者は、金クラスター触媒がO2およびH2を酸化/還元剤として、補酵素であるニコチンアミドアデニンジヌクレオチド(NADH)の酸化還元反応を触媒することを明らかにした。さらに、実際の酵素反応に金クラスターおよび金-白金合金触媒を添加し、系中で不活性化した補酵素の再生(酸化/還元)をさせ、酵素-金クラスターハイブリッド触媒として機能させることに成功した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
酵素を利用した有機合成法は、加水分解酵素がその大部分を占めてきた。一方、酸化還元反応を触媒する酵素である脱水素酵素は反応に高価な補酵素NADH/NAD+を利用するものが多く、コストの増加が課題であった。 これを解決するため不活性化した補酵素を再活性化する方法が模索されてきた。本研究では、補酵素の再生に金クラスターを触媒を用い、O2あるいはH2という非常にありふれた材料を用いて機補酵素を再生できることを示した。この反応は廃棄物に水のみを生じる非常にクリーンな反応である。実際の酵素でもこの補酵素再生法が機能することを示し、酵素を利用した新たな有機合成法の足がかりを発見した。
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