研究課題/領域番号 |
19K15617
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分35010:高分子化学関連
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研究機関 | 弘前大学 (2020) 東京大学 (2019) |
研究代表者 |
呉羽 拓真 弘前大学, 理工学研究科, 助教 (60836039)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2021-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2020年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2020年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
2019年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
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キーワード | ゲル / 光散乱法 / タンパク質 / 高分子 / 高分子ゲル / 動的粘弾性 / ダイナミクス / 分子クラウディング / 力学特性 / 光散乱 |
研究開始時の研究の概要 |
高濃度で架橋された高分子の網目(ゲル)を用い、細胞内でタンパク質などの生体分子が高活性になる分子クラウディング効果を発揮できる人工の3次元空間を構築する。 まず、高分子密度やダイナミクス(ゆらぎ)が制御された一連のモデルゲル網目を創製する。また、合成したゲル網目のダイナミクスとその中でタンパク質が示す生化学反応や変化するダイナミクスを非破壊で同時に観測することに挑戦する。 以上を発展させ、実際に生体内で見られる生体分子の機能をゲル網目内部で評価・応用できるモデルシステムを構築し、生体外で高効率なタンパク質のシャペロン機能の発現や分子拡散評価法の確立を目指す。
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研究成果の概要 |
生体分子の機能を向上させる分子クラウディング効果を発揮する高分子ゲルネットワークを構築し、ゲル内部で生じる生体現象を評価する技術の開発を狙った。ゲル骨格には生体親和性が高く、温度応答性を有する高分子を選択し、内部の高分子密度とダイナミクスが異なるゲルを創製することができた。また、ゲルの物性や構造を動的光散乱法や動的粘弾性測定により評価し、生体分子の拡散性や相互作用を制御するための設計指針を確立した。得られたゲル内部でRNAのダイナミクスを測定し、RNAの拡散性が低下したことを確認でき、分子クラウディング効果を発揮するゲルのモデル化を達成した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
生体内ではタンパク質や核酸が混み合った細胞内で機能している。この混み合った環境では希薄条件に比べ、タンパク質などの生体分子の活性度が向上し、我々の生命活動を支えており、この効果は分子クラウディング効果と呼ばれている。このメカニズムを解明または生体分子機能をさらに向上させるため、生体分子に高濃度の人工(合成)高分子を添加し、生体外で分子クラウディング効果を確かめる手法が適用されているが、実際に生体内で起きている現象は再現できていない。本研究では、合成高分子が架橋されたハイドロゲルを合成し、その内部で生体分子の運動や機能を評価する手法を開発した。
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