研究課題/領域番号 |
19K15630
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分35020:高分子材料関連
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
中川 慎太郎 東京大学, 生産技術研究所, 助教 (40806642)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2021-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2020年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2020年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2019年度: 2,990千円 (直接経費: 2,300千円、間接経費: 690千円)
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キーワード | 架橋高分子 / ポリマーゲル / 構造欠陥 / 力学特性 / ボトルブラシポリマー / 制御ラジカル重合 / 制御重合 / 高分子合成 / ハイドロゲル / ネットワーク / ソフトマテリアル / 力学物性 |
研究開始時の研究の概要 |
生体構造組織の代替材料等として有用なハイドロゲルは、一般にさまざまな構造欠陥を持つ力学的に弱い材料である。本研究では、それらの構造欠陥をすべて排除したハイドロゲルを創製し、その極限物性に迫ることを目的とする。そのための方策として、ダイアモンドなどの結晶材料がつくる理想的なネットワーク構造に着目し、その特徴を徹底的に取り入れた新規「マクロアトム」ポリマーと、それに基づくハイドロゲルを提唱・実証する。
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研究成果の概要 |
高分子網目に多量の溶媒が含まれたポリマーゲルは、ゼリーやコンタクトレンズのように身近なところから医療用材料などにいたるまで広く使われている重要な材料である。通常、高分子網目にはさまざまな構造欠陥が含まれ、しばしばそれにより力学的な強さが損なわれる。本研究では、構造欠陥を排除したポリマーゲルの創製を目指して、高分子の形状を精密に制御した「マクロアトム」と呼ぶ構成要素から欠陥の少ない高分子網目を構築する新しい手法を確立した。得られたポリマーゲルの硬さは理論予想に近く、構造欠陥の少ない網目が得られたことが示唆された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
ゲルに代表される架橋高分子は、我々の生活に欠かせない重要な材料である一方、その構造の精密な制御は困難であり、構造欠陥を完全に排除した理想的な材料はいまだ得られていない。本研究の成果はその架橋高分子の究極形に近づく大きな一歩であり、柔軟なゲルからより硬いゴムや熱硬化性樹脂など、幅広い架橋高分子材料の高性能化に貢献するものである。学術的にも、架橋高分子の未踏の極限物性に迫りうる手法を確立した点が意義深い。
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