研究課題
若手研究
本研究では、非晶質材料の局所構造解析に非常に有用な手法である固体NMR、及びその高感度測定法である固体DNP-NMRを用い、これまで未解明であった、有機非晶膜における分子のコンフォメーション、分子間距離、πスタッキング構造などの非晶構造体に内在する局所構造を分子レベルで明らかにし、非晶構造と有機デバイス特性との相関解明を通じて、さらなる高特性材料開発の設計指針を得るとともに、有機デバイスの基礎科学の構築を進める。
本研究では、動的核偏極(DNP)-NMRと量子化学計算を組み合わせ、熱活性遅延蛍光材料のねじれ角評価を行った。具体的には、DNP-NMRを用いることにより、15N NMRスペクトルの大幅な感度向上を達成しさらに、非晶中のねじれ角を評価に成功した。また、static下でのDNP-NMRの測定条件の最適化にも取り組み、ビラジカル系の増感剤を用いた場合に最もよい、単位時間当たりの感度向上が得るれた。実際にデバイスに使われる膜厚の配向分布解析が可能となった。加えて、光照射DNP-NMR、分布を含めたコンフォメーション解析に関する研究にも展開できた点、おおむね順調に研究を推進することができた。
本研究成果はこれまで、不可能であった、非晶膜中における有機EL発光材料のコンフォメーション解析を初めて行った例である。この成果を他の材料へさらに適用することにより、有機EL発光材料の構造ー物性相関の解明につながり、より高効率な材料の開発につながっていくと期待される。
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すべて 雑誌論文 (9件) (うち国際共著 6件、 査読あり 9件、 オープンアクセス 5件) 学会発表 (7件) (うち国際学会 3件、 招待講演 3件)
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