研究課題/領域番号 |
19K15649
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分35030:有機機能材料関連
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研究機関 | 奈良先端科学技術大学院大学 |
研究代表者 |
山田 美穂子 奈良先端科学技術大学院大学, 先端科学技術研究科, 助教 (70726257)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2021-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2020年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2020年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2019年度: 2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
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キーワード | 湾曲状芳香族化合物 / 光化学 / 光物性 / 光反応性 / フォトクロミズム / 異性化 / フォトクロミック反応 |
研究開始時の研究の概要 |
フォトクロミック反応など光異性化反応においては、順反応と逆反応は相補的な関係にあるため、独立した制御は困難である。本研究では、歪みの調節が可能なモチーフに湾曲状芳香族構造、フォトクロミック反応系モチーフとしてヘキサトリエン構造を有する化合物の合成を行う。これらを用いて、分子の静的・動的な歪み構造に注目してポテンシャルエネルギー曲線をスイッチさせることで、光物性・反応性に与える効果を系統的に評価・検討することで、光反応における順反応と逆反応の独立な制御を目指す。
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研究成果の概要 |
本研究では、フォトクロミックターアリーレンと湾曲状芳香族化合物コラニュレンを組み合わせた化合物を合成し、構造の歪み構造によって光物性と光反応性を制御することを目的とした。フォトクロミックユニットを二つ有するコラニュレン誘導体を合成し、光照射によりフォトクロミズムを示すことを明らかにした。また、光物性及び光反応性の比較検討により、歪み構造に由来する大きなモル吸光係数と反応量子収率が順反応の光反応効率を向上させることを明らかにした。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
フォトクロミック分子は光励起により異性化などを生じることで光物性の可逆的な変化を示す分子で、センサー、メモリ、分子マシンなどとしての応用が期待されている。フォトクロミック反応など光異性化反応においては、順反応と逆反応は相補的な関係にあるため、独立した制御は困難である。本研究では、ターアリーレン型フォトクロミック分子において、分子の歪みが光物性及び光反応性を変化させることを明らかにし、フォトクロミック分子の新たな設計指針の可能性を示した点で学術的意義がある。得られた研究成果は、フォトクロミック材料、光触媒など光化学的性質を利用する分子設計および材料開発への幅広い展開が期待できる。
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