研究課題/領域番号 |
19K15650
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分35030:有機機能材料関連
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研究機関 | 岡山大学 |
研究代表者 |
森 裕樹 岡山大学, 異分野基礎科学研究所, 助教 (20723414)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2020年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2019年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | 有機薄膜太陽電池 / 有機半導体 / n型半導体 / 結晶性薄膜 / チアジアゾール誘導体 / π共役系分子 / 非フラーレンアクセプター / n 型半導体 |
研究開始時の研究の概要 |
有機薄膜太陽電池(OPV)は、軽量かつ柔軟、伸縮可能な太陽電池を印刷技術により安く作製することが可能な次世代太陽電池として知られている。しかしながら、実用化にはさらなる電力変換効率の改善が必要不可欠である。本研究の目的は、OPVの高効率化を達成するために、これまでにない新材料を開発することを目的とする。われわれが独自に開発してきた新規の有機分子(FBTzE)を基に、これまでに高性能OPV材料として報告例がない多数の分子を連結したA2-D-A1-D-A2型構造を有するn型半導体の開発をおこない、最終的に 15% の変換効率を目指す。
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研究成果の概要 |
次世代の再生可能エネルギーである有機薄膜太陽電池において、高効率を達成できる新材料の開発を目的に、新骨格であるビニレン架橋ジフルオロベンゾチアジアゾール(FBTzE)を中心アクセプター骨格(A1)とし、末端の異なるアクセプター(A2)骨格をドナー骨格(D)で連結した高結晶性の新規A2-D-A1-D-A2型n型半導体の開発に成功した。目的のn型半導体は既存の原料から短工程で合成でき、従来のn型半導体と比較して、極めて高い結晶性を有する優位性が明らかとなった。現時点での変換効率は約1%であるが、得られた構造-特性相関から、高い結晶性を生かした新たな分子の設計により、高性能材料の開発が期待できる。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
有機薄膜太陽電池はこれまでの無機太陽電池と比較して、軽量かつ伸縮可能であるため、従来では不可能であった場所に設置できることから、低炭素社会の実現に向けて大いに期待されている技術である。しかしながら、わが国における有機薄膜太陽電池材料の開発に関する研究は、諸外国に比べ遅れている現状にある。本研究成果は、簡便かつ低コストで合成可能であり、高い変換効率を達成可能な有機薄膜太陽電池材料の開発に向けた新たな材料設計指針を与えるものであることから、有機薄膜太陽電池の発展に大いに寄与するものである。
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