研究課題/領域番号 |
19K15655
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分36010:無機物質および無機材料化学関連
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研究機関 | 東京工業大学 |
研究代表者 |
金 正煥 東京工業大学, 元素戦略研究センター, 助教 (90780586)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2021-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2020年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2020年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2019年度: 2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
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キーワード | ハロゲン化物発光体 / ペロブスカイト / EL / 毒性元素フリー / 青色発光 / 毒性元素フリー青色発光体 / ペロブスカイトLED / ペロブスカイトLED / メタルハライド / 非鉛発光材料 / 発光素子 |
研究開始時の研究の概要 |
近年、ペロブスカイト型ハロゲン化物は優れた発光特性や低温プロセスが可能であるため次世代EL素子の発光材料として大きく注目されている。しかし、鉛のような毒性元素、大気不安定性などの問題点があり、現在では実用的応用が困難と考えられている。一方、申請者は近年、毒性元素を含まず大気安定なハロゲン化物青色発光体であるCs3Cu2I5を新たに見出した。Cs3Cu2I5は90%に及ぶ高い量子効率を示し、これは0次元的特異な電子構造に由来することを明らかにした。本研究では新たなハロゲン化物発光材料を探索し、光学物性の評価およびEL素子への応用を図る。さらに、ELに適した新規ハロゲン化物発光材料を提案する。
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研究成果の概要 |
本研究では新たな毒性元素フリー青色発光体のCs5Cu3I6Cl2を見出すことに成功、非常に高い発光量子効率(90%以上)や大気安定性を実証した。また、ペロブスカイトEL素子において、発光特性と電荷輸送特性の両立が非常に重要であることを見出し、新たな方法として電荷輸送層を用いた励起子束縛を実証した。その結果、超高輝度低電圧駆動ペロブスカイトELの実証に成功した。2.9Vの低電圧で、10,000 cd/m2と33 lm/wの電力効率を示し、最高輝度は500,000 cd/m2を記録した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
これまで太陽電池や発光素子として注目されていたハロゲン化物はほとんどが鉛を含んたペロブスカイト型であった。しかし、鉛のような毒性元素を排除することが非常に重要な課題であり、本研究では実際に、鉛を含まない、Cs-Cu-Cl-Iで構成されている新たな発光体の開発に成功した。PLQY95%、優れた大気安定性などのように非常に有望な性能を示すことから、実用可能な材料ともいえる。また、本研究で実証されたペロブスカイトELは、今後、高性能PeLEDを実現するための指針が明確に得られたことを示唆する。
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