研究課題/領域番号 |
19K15663
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分36010:無機物質および無機材料化学関連
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研究機関 | 国立研究開発法人産業技術総合研究所 |
研究代表者 |
篠崎 健二 国立研究開発法人産業技術総合研究所, 材料・化学領域, 主任研究員 (10723489)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2021-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2020年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2020年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2019年度: 2,600千円 (直接経費: 2,000千円、間接経費: 600千円)
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キーワード | 核形成 / 不均質 / ナノ結晶 / 中距離構造 / X線全散乱 / 分子動力学法 / 第一原理計算 / アップコンバージョン / ガラス / 非晶質構造解析 / ミクロ偏析 / フッ化物ナノ結晶 / XAFS / 微小球 / 構造解析 / ゆらぎ / 太陽光波長変換材料 / 過冷却融液 / レーザー / 非晶質構造 / 結晶化 |
研究開始時の研究の概要 |
ガラス中に機能性のナノ結晶を析出させることで、波長変換などの様々な機能性を持った機能性の高透明部材が得られる。ガラス(または過冷却融液)から析出する結晶の粒径は、核形成と結晶成長のそれぞれの速度の競合によって決まり、核形成が速く成長が遅ければ結晶粒径は小さくなる。本研究では、従来の長時間熱処理による結晶化とは一線を画す、融液冷却固化過程での超高速ナノ結晶化を目指す。ガラスの中距離構造、ミクロ偏析を設計することで、超高速の核形成が実現し、超短時間熱処理でナノ結晶化可能であることを実証するとともに、その材料設計指針を明らかにする。
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研究成果の概要 |
ミクロ偏析を誘起する材料設計指針及び、ミクロ偏析を核形成サイトとして利用することで超高速の核形成が可能にすることを目的に研究を行った。ミクロ偏析の構造解析のため、動径分布関数の解析や分子動力学による構造シミュレーションを行った。ガラスのミクロ偏析はHBSA則で示唆されるようにBaF2などのフッ化物とB2O3などの酸化物間では混和性が低いが、それに中間程度の極性の第三成分を加えることで混合状態の制御ができることを提案した。これにより核形成に好適な構造を設計する指針を提示した。さらに、ガラスの融液冷却過程での結晶化に取り組み、冷却過程でのナノ結晶化が可能であることを実証した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
ガラス(または過冷却融液)から析出する結晶の粒径は、核形成と結晶成長のそれぞれの速度の競合によって決まり、核形成が速く成長が遅ければ結晶粒径は小さくなる。結晶成長の制御は粘性の調整等の指針がある一方、核形成については十分理解が進んでおらず、これまでは試行錯誤により制御するしかなかった。本研究ではガラスと結晶の構造類似性の設計方法を提案し、ガラス構造設計により核形成を加速する指針を明らかにした。また、従来困難だった急冷過程でのナノ結晶化にも成功した。この成果はより高効率の材料開発及び、高生産性での材料作製やデバイス形成の実現につながる。
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