研究課題/領域番号 |
19K15668
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分36020:エネルギー関連化学
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
小林 弘明 東北大学, 多元物質科学研究所, 助教 (90804427)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2020年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2019年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
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キーワード | リチウムイオン電池 / 正極材料 / 逆蛍石型酸化物 / アニオンレドックス |
研究開始時の研究の概要 |
現行リチウムイオン電池から大幅のエネルギー密度向上を可能とする、新規正極材料開発を目的とする。固体内の酸化物イオンのレドックス反応が利用できる逆蛍石型酸化物固溶体材料に着目し、還元状態の酸素種の活性化に寄与する元素と酸化状態の酸素種の分解抑制に寄与する元素を同時に固溶させた多元系材料を合成し、高エネルギー密度と高サイクル特性の両立を狙う。また電気化学特性・放射光分析等から材料を多角的に評価、可逆容量や充放電反応機構と構造・組成との相関を明らかにし、逆蛍石型酸化物材料の電気化学反応メカニズムを解明する。
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研究成果の概要 |
本研究では高い理論エネルギー密度を持つ逆蛍石型酸化物材料のサイクル性向上を目的とし、以下の成果が得られた。(1)Li2OにCuとFを同時にドープすることにより、Cuのレドックスに伴う構造変化を抑制し、サイクル性向上を達成した。(2)歪み逆蛍石材料をカチオンディスオーダーにより立方晶化させることによりレドックス反応の過電圧低減に成功した。(3)典型元素としてGeやPをドープすることにより固体内酸素が安定化され、高エネルギー密度化とサイクル性向上を達成した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
再生可能エネルギーの負荷平準化用電源や車載用電源としてリチウムイオン電池の高エネルギー化は重要である。本研究で着目した材料はリチウムイオン電池の中でも最高の理論エネルギー密度を有する材料群であり、本成果によりリチウムイオン電池正極の高エネルギー化およびそのサイクル性向上の設計指針が提示されたと判断できる。更なる研究進展によりポストリチウムイオン電池の実用化が大きく近づくと考えられる。
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