研究課題/領域番号 |
19K15675
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分36020:エネルギー関連化学
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研究機関 | 信州大学 |
研究代表者 |
影島 洋介 信州大学, 工学部, 助教 (20821846)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2021-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2020年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2020年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
2019年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
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キーワード | 電極触媒 / 光電極 / 対流ボルタンメトリー / 燃料電池 / セルロース / バイオマス |
研究開始時の研究の概要 |
バイオマス系廃棄物の大部分を占めるセルロースを、改質プロセスを介さずに直接燃料として用いることは、バイオマスエネルギーを有効利用するうえで望ましい。しかし、セルロースは一部の溶媒を除くほとんどの溶媒に不溶であり、液相での反応の知見が乏しく、そのため無機材料ベースの不均一系触媒から成るエネルギー変換デバイスはほとんど報告されていない。本研究では、液相中のセルロースの電気化学的な直接酸化反応に活性な新規電極触媒を創出する。これにより、これまで不明瞭であったセルロースの液相での反応に新たな知見を提案すると同時に、革新的なバイオマス(光)燃料電池等のエネルギー変換デバイスの構築を行う。
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研究成果の概要 |
強塩基水溶液中に溶解したセルロースの電気化学的酸化反応に関与する反応メカニズムを、対流ボルタンメトリー及び生成物分析によって評価した。様々な金属種の固有の触媒活性に関しても個別に評価した。白金を堆積させたニッケルフォーム電極から成る燃料電池は、常温常圧下においても、セルロースを直接燃料として利用した発電が可能であることが明らかとなった。 加えて、固相セルロースまたは液相中セルロースを、TiO2光アノードから成る光燃料電池の燃料として利用可能であることも見出した。光燃料電池は、光のエネルギーを利用している分、光を用いない系に比べて発電特性を大幅に向上可能であることが示された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
セルロースがほとんどの溶媒に不溶であることに加え、反応物の分子サイズが大きくなるほど反応の素過程が複雑化するため、これまでセルロースの電気化学的酸化反応のメカニズム(電位依存等)は明らかになっていなかった。対流ボルタンメトリー等の電気化学的手法を駆使することで、高分子であるセルロースの複雑な酸化反応の電位依存性を初めて報告した。 セルロースは廃棄物性バイオマスの大部分を占める。従って、改質プロセス不要でオンサイトでの廃棄物系バイオマスからの直接エネルギー利用が可能となれば、バイオマス資源の有効利用や環境浄化に寄与すると期待できる。
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