研究課題/領域番号 |
19K15683
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分36020:エネルギー関連化学
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研究機関 | 東海大学 |
研究代表者 |
源馬 龍太 東海大学, 工学部, 講師 (10803546)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
2,730千円 (直接経費: 2,100千円、間接経費: 630千円)
2021年度: 260千円 (直接経費: 200千円、間接経費: 60千円)
2020年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2019年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
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キーワード | CO2メタン化 / ボールミリング / メカノケミカル反応 / 水素吸蔵合金 / アトムプローブ / メタン化 / LaNi5 |
研究開始時の研究の概要 |
大気中二酸化炭素濃度の上昇を緩和する方法の一つとして、大気中CO2のメタン化が注目されている。しかし、これまでに開発されたメタン化プロセスでは、最低でも200℃以上の高温が必要とされているため、省エネルギーの観点から異なるプロセスによる低温化が望ましい。本研究では、水素(H2)とCO2からメタン(CH4)を低温下で合成する方法として、水素吸蔵合金を用いたメカノケミカル反応を利用した合成法について検証し、さらに、反応その場ガス分析と、アトムプローブを活用した合金ナノ組織の詳細な元素分析により、低温下にて有効なメタン生成触媒の探索を目的とする。
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研究成果の概要 |
水素+二酸化炭素混合雰囲気下における、水素吸蔵合金粉末のボールミリングによる低温化でのメタン生成挙動について調査を行った。その結果、二酸化炭素が消費されるよりも早く水素量が減少する挙動がメタン生成に先立つことが明らかとなった。すなわち、合金表面での触媒反応によりメタンが生成するよりも先に、水素の一部が合金内部に吸収されることがわかった。この挙動は、水素固溶量の多い合金を用いた場合の方が速やかであった。すなわち、一度固溶した原子状水素が気相/固相界面の反応場へ供給されることによりメタン生成の開始が促進されていることが示唆された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
水素吸蔵合金であるLa-Ni系合金粉末を用いてH2+CO2雰囲気にてボールミリングを行うことにより、メタン生成が可能であることが示された。合金粉末は相分離を生じるが、これに伴い合金中に吸蔵された水素が放出され、この水素の放出とメタン生成の開始に相関があることが示唆された。相分離によりLa酸化物等にNiが担持されたナノ構造をとるが、このままボールミリングを継続した場合でもメタン生成が継続することから、合金粉末は触媒前駆体と見なされることが明らかとなった。また、炭酸化物中の炭素がメタンの原料となりうることが示されたことから、関連する研究を展開する上で、示唆に富む成果が得られたものと考えられる。
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