研究課題/領域番号 |
19K15691
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分37010:生体関連化学
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
那須 雄介 東京大学, 大学院理学系研究科(理学部), 助教 (60831328)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2021-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2020年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2020年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2019年度: 3,120千円 (直接経費: 2,400千円、間接経費: 720千円)
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キーワード | 蛍光タンパク質 / 乳酸 / 蛍光バイオセンサー / タンパク質工学 / 蛍光センサー / Metabolism |
研究開始時の研究の概要 |
「生物の主要な細胞間エネルギー伝達物質はグルコースではなく乳酸である」というこれまでのmetabolismの常識を覆す説が近年提唱されている. この「非常識」を検証するには細胞間の乳酸動態を観察する必要があり, そのためには「細胞内」及び「細胞外」の乳酸を観察可能なセンサーが必要である. これまで細胞内外共に生体観察可能な乳酸センサーは全くなく, その開発が急務であった. これまでの研究で, 申請者はタンパク質工学の手法を駆使して「細胞内」乳酸蛍光センサーG-iLACCO1を開発した. そこで本研究では, 「細胞外」乳酸蛍光センサーの開発を目的とする.
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研究成果の概要 |
伝統的にエネルギー代謝の廃棄物と考えられていた乳酸が, 近年生体内でエネルギー供給(細胞間乳酸シャトル)の役割を果たしていることが明らかになりつつある。生体内における乳酸の役割をさらに詳細に検証するためには, 生体試料中の細胞外乳酸を高い時空間分解能で観察する方法が必要である。その観察方法を開発するため, 本研究ではタンパク質工学の技術を用いて, 細胞外乳酸赤色蛍光バイオセンサーを創出した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
これまで細胞外の乳酸動態を観察する方法は, 血液を採取して生化学的に解析したり, 観察部位に乳酸反応性電極を挿入したりなど, 乳酸に関する時空間情報の欠如や生体に対する侵襲性が避けられなかった。世界で初めて細胞外乳酸を非侵襲的に, かつ, 高時間分解能で観察することが可能なバイオセンサーを開発した, という点で本研究の成果は学術的に極めて意義がある。さらに, 乳酸は社会的な認知度・注目度も高いことから, 本研究成果である細胞外乳酸センサーを利用することでこれまで知られていなかった乳酸の新たな知見の発見につながる可能性がある点で社会的な意義がある。
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