研究課題/領域番号 |
19K15707
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分37020:生物分子化学関連
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
安田 智一 大阪大学, 大学院理学研究科, 特任助教(常勤) (90771121)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2019年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | セラミド-1-リン酸 / 細胞質型ホスホリパーゼA2 / 蛍光寿命測定 / 表面プラズモン共鳴法 / 動的挙動解析 / 分子認識機構 / 類縁体合成 |
研究開始時の研究の概要 |
細胞膜上に局所的に分布するセラミド-1-リン酸(C1P)が、どのようにして細胞質型ホスホリパーゼA2 (cPLA2α)と特異的に結合するのか、その分子基盤の解明を目指す。そのために、構造改変したC1P類縁体を化学合成し、多様な計測手法を用いて、人工膜や細胞膜におけるC1PおよびcPLA2αとの複合体の動的挙動や相互作用を原子レベルで観測する。これらを統合的に解析することによって、C1Pの挙動秩序と生理機能の関係の理解が深まることが期待される。
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研究成果の概要 |
セラミド-1-リン酸 (C1P) の類縁体の化学合成を基盤に、人工脂質膜を用いた蛍光測定やSPRによって、C1Pおよび細胞質型ホスホリパーゼA2 (cPLA2α) との複合体の原子レベルの動的挙動や相互作用を精密に解析した。その結果、膜中に存在するC1Pドメインの膜動態は、周辺の脂質環境やC1P親水部構造に影響を受け、ドメイン形成能が高い膜環境であるほどcPLA2αとの結合親和性が高くなることが示された。そして、C1PによるcPLA2α活性化機構の分子基盤について、C1Pドメイン形成による膜物性の変化がcPLA2αの膜への分子認識を促進していると推定することができた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究は、リガンドである脂質の原子レベルの動的情報を基軸とした新たな解析アプローチによって、生体内で微量脂質として含まれる脂質メディエーターの機能にも膜動態が重要な役割を果たしていることを示すことができた。このアプローチは、多くの生理機能や疾患に関与するタンパク質の活性を調節する膜脂質分子の分子認識機構研究へも展開することが可能であり、タンパク質の脂質結合部位をターゲットとした有効な薬剤開発など医薬化学分野の応用面にも大きく寄与することが期待される。
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