研究課題/領域番号 |
19K15715
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分37030:ケミカルバイオロジー関連
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
内之宮 祥平 九州大学, 薬学研究院, 助教 (10770498)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2021-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2020年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2020年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
2019年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
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キーワード | 蛍光イメージング / 代謝経路 / 脂肪酸β酸化 / ケミカルバイオロジー / 脂肪酸ベータ酸化 / ケミカルプロテオミクス / 代謝不均一性 / ケモプロテオミクス |
研究開始時の研究の概要 |
疾病での代謝変化の解明は、疾病機構の理解や創薬に重要である。最近では特に細胞ごとの代謝不均一性を解明することが重要と指摘されているが、広く用いられている同位体標識化合物と質量分析を組み合わせた解析法では、全細胞集団の平均化された情報しか得られないという問題点がある。本研究では、標的代謝が活性化した細胞での特異的なプロテオミクスと蛍光イメージングを相補的に行う新しいケミカルツールを開発し、代謝不均一性の可視化とその制御タンパク質を解明する。標的代謝にはエネルギー生産に重要な脂肪酸β酸化を選択し、β酸化が関連する疾病での不均一性の解明を目指す。
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研究成果の概要 |
代謝経路の活性は疾病細胞と通常細胞とで大きく異なることから、標的代謝経路の活性を評価可能なツールの開発は疾病メカニズムの解明や創薬に重要である。本研究ではエネルギー生産経路の1つである脂肪酸β酸化を標的とし、蛍光イメージングとケミカルプロテオミクスを相補的に行うケミカルプローブを開発した。本プローブによって培養細胞でのβ酸化の蛍光イメージングに成功した。さらに、マウスにプローブを腹腔内投与することでマウス肝臓でのβ酸化の蛍光イメージングも達成した。今後はβ酸化の活性変化に伴う細胞内プロテオーム変化をケミカルプロテオミクスによって解析する。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
ガンを始め様々な疾病では代謝活性が大きく変化しているため、標的代謝経路の活性変化を検出する手法の開発は疾病メカニズムの理解や創薬研究に重要である。しかし、従来の同位体標識化合物を用いた測定では細胞集団の平均値しか得られず、代謝研究において重要な不均一性を検出することは困難である。本研究で開発したケミカルプローブはエネルギー生産に重要な脂肪酸β酸化経路を一細胞レベルで蛍光検出可能であり、培養細胞のみならずマウス肝臓サンプルでもβ酸化経路を検出可能であった。今後は本プローブを用いてβ酸化活性変化に伴うプロテオーム変化を解析することで、様々な疾病でのβ酸化が果たす役割を詳細に解析できると期待される。
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