研究課題/領域番号 |
19K15718
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分37030:ケミカルバイオロジー関連
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研究機関 | 京都大学 (2021-2022) 国立研究開発法人理化学研究所 (2019-2020) |
研究代表者 |
金 水縁 京都大学, 高等研究院, 客員研究員 (50758886)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2019年度: 2,730千円 (直接経費: 2,100千円、間接経費: 630千円)
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キーワード | タンパク質分析 / 電気泳動 / 単一分子蛍光顕微鏡 / 一分子計測 / 一細胞解析 / ゲル電気泳動法 / プロテオーム解析 / ケミカルバイオロジ |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、超高感度・網羅的なタンパク質分析が実現できる「単一分子蛍光ゲル電気泳動法」を確立する。具体的には、0.3 mmの厚みの試料まで高速にスキャンできる光シート顕微鏡を用い、電気泳動によって分離されたタンパク質を単一分子レベルで蛍光検出する。その結果、従来の染色法より検出感度を3桁以上向上できる。さらに、タンパク質の活性部位と翻訳後修飾を選択的に標識できる蛍光プローブを設計し、一細胞内で1万種類以上のタンパク質の識別を目指す。
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研究成果の概要 |
本研究では、1次元電気泳動により分離した様々な種類のタンパク質を、単一分子蛍光顕微鏡により1分子感度でそれぞれ計数化する「一分子蛍光ゲル電気泳動法」を確立した。今までの性能評価により、従来の染色法より検出感度を3桁以上向上したことを確認している(サブフェムトグラム、アトモーラーレベル)。また、本法に基づき、一細胞プロテオーム解析に向けた「一細胞蛍光電気泳動法」を開発した。その結果、泳動パターンのほとんどから少なくとも30個以上のタンパク質バンドを検出した。さらに、得られた泳動パターンを用いて次元削減解析を行い、異なる細胞株を区別することに成功した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究で開発した「一分子蛍光ゲル電気泳動法」は、従来の染色法(CBB、銀染色など)では検出不可であったサブフェムトグラム程度の微量タンパク質を検出でき、現存するタンパク質分析法の中、最も高い感度を持っているといえる。また、「一細胞蛍光電気泳動法」は、一細胞プロテオームを調べる従来法である質量分析や抗体染色より安価かつ簡便であり、さらに、バイアスなく試料内の全タンパク質を調べられるといった利点を持っている。今後、質量分析の前段階や、臨床検査などで一細胞プロテオームを手軽に調べたいという場合に良い選択肢になる可能性が高い。
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