研究課題/領域番号 |
19K15722
|
研究種目 |
若手研究
|
配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分38010:植物栄養学および土壌学関連
|
研究機関 | 岡山大学 |
研究代表者 |
横正 健剛 岡山大学, 資源植物科学研究所, 准教授 (50790622)
|
研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
|
研究課題ステータス |
中途終了 (2021年度)
|
配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2020年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2019年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
|
キーワード | イネ / 酸性土壌 / アルミニウム耐性 / 転写因子 / スクリーニング / アルミニウム感知機構 / ART1 / OsBBPI / アルミニウム / タンパク質相互作用 / シグナル認識 / ストレスシグナル |
研究開始時の研究の概要 |
本研究ではイネのAl耐性に重要な転写因子ART1の機能を制御する因子や植物のAlシグナルの感知に関わる遺伝子の単離、同定を行う。主に2つの方法で候補遺伝子の探索を行う。1つ目はART1と相互作用するタンパク質を酵母ツーハイブリット法で探索する。もう1つはpSTAR1-STAR1-GFP形質転換イネを利用し、Al非感知変異体のスクリーニングを行う。いずれも、候補となる遺伝子が単離できた場合、様々な分子生物学的手法を駆使してその機能を明らかにする。さらに変異体を用いアルミニウム耐性の比較や、ART1の下流の遺伝子の発現解析を行うことで、ART1の上流の制御機構に関与する新規因子を突き止める。
|
研究実績の概要 |
イネのアルミニウム耐性に関与する転写因子ART1のタンパク質制御機構を明らかにするために、酵母のツーハイブリットスクリーニングを行った。その結果、 ART1と相互作用する候補タンパク質が11個得られ、そのうち5つのタンパク質はBBPI(Bowman-Birk Protease Inhibitor)ファミリーに属していた。まず根と地上部において遺伝子の発現を比較したところOsBBPI3(3.1、3.2、3.3)は主に根で発現しておりOsBBPI2(2.1、2.2)は主に地上部で発現していた。ART1とのタンパク質相互作用を確認するためにプルダウンアッセイを行ったところ根で発現しているOsBBPI3タンパク質はいずれもART1との相互作用が確認された。次にアルミニウムによる発現応答について比較したところ、いずれの遺伝子も数倍から十数倍に増加した。一方、ART1による制御は受けていなかった。OsBBPI3の生理学的な機能解析を行うためにCRSPR -Cas9を用いて3重変異体を作出した。3重変異体では野生株に比べアルミニウムに対する根の相対伸長が10%程度有意に阻害されていた。さらにいくつかのART1制御下の遺伝子の発現量は野生株より低下していた。最後にアルミニウム存在下で根の核におけるART1タンパク量を比較したところ、3重破壊株は野生株 に比べART1タンパク量が減少していた。これらの結果からOsBBPI3の機能はART1のタンパク量の維持に関与していると考えられる。 また、イネのアルミニウム感知に関わる分子機構を明らかにするために変異体のスクリーニングを行った。その結果、アルミニウム応答の弱い変異体を複数見つけた。今後はこれらの遺伝子の特定と機能解析が必要である
|