研究課題/領域番号 |
19K15724
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分38010:植物栄養学および土壌学関連
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研究機関 | 国立研究開発法人産業技術総合研究所 |
研究代表者 |
伊藤 英臣 国立研究開発法人産業技術総合研究所, 生命工学領域, 主任研究員 (70748425)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2021-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2020年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2020年度: 2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
2019年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | 土壌微生物 / 昆虫 / 農業害虫 / 腸内細菌 / 共生 |
研究開始時の研究の概要 |
土壌微生物が環境や植物に与える重要な生態系サービスは古くから見出されてきた一方、昆虫に与える直接的な生態系サービスはほとんど分かっていない。本研究では、土壌微生物と様々な昆虫間に見られる腸内共生系の多様性や相互作用を解明するとともに、土壌環境中での昆虫腸内細菌の動態とそれが共生系に及ぼす影響を解明する。これにより、これまで接点がもたれることのなかった土壌学と昆虫学を融合させた新しい学術領域を開拓する。
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研究成果の概要 |
土壌微生物の環境や植物に対する影響はよく知られている。しかし、土壌微生物が昆虫に与える影響についてはほとんど分かっていない。 本研究では農業害虫のホソハリカメムシがBurkholderiaを腸内に保持すること、そして世代ごとに土壌から獲得していることを明らかにした。また、Burkholderiaが獲得できないと生存率が低下し体サイズが矮小化して、繁殖力が著しく低下することがわかった。さらに、カメムシがBurkholderiaを獲得できる土壌とできない土壌があることが判明した。これらのことからカメムシの生存や分布を土壌微生物が規定しうることが示唆された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
これまでの土壌学研究は環境や植物に対する影響にのみ、そして昆虫学研究は宿主昆虫と腸内細菌の個体レベルの相互作用にのみ焦点が当てられ、両研究が接点を持つことは全くなかった。本研究成果によって、昆虫の生き死にが土壌微生物によって規定されるという新たな自然科学現象の提唱につながり、土壌学研究の新しい着眼点を提供した。 また、本研究により昆虫の生存・繁殖において生息域の土壌微生物が制限要因になることが明らかになった。昆虫のみならずその他動物の腸内微生物研究においても生息環境微生物との相互作用が注目され、本研究による知見を礎として当該分野の研究が新たな広がりを見せるに違いない。
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