研究課題/領域番号 |
19K15729
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分38020:応用微生物学関連
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研究機関 | 静岡県立大学 |
研究代表者 |
菊川 寛史 静岡県立大学, 食品栄養科学部, 助教 (80758805)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2021-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2020年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2019年度: 3,250千円 (直接経費: 2,500千円、間接経費: 750千円)
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キーワード | ビフィズス菌 / C16モノエン酸 / アトピー性皮膚炎 / 黄色ブドウ球菌 / 表皮ブドウ球菌 / サピエン酸 / Bifidobacterium |
研究開始時の研究の概要 |
サピエン酸(6-cis-C16:1)はヒト皮脂に含まれる不飽和脂肪酸であり、アトピー性皮膚炎の重症化を引き起こす黄色ブドウ球菌 Staphylococcus aureus に抗菌性を示す一方、有益菌のS. epidermidis は抑制しない選択性をもつ。しかし、サピエン酸はヒトに特異的に存在し、その天然供給源はない。本研究は、食品に利用可能なサピエン酸生産にむけて、1)ビフィズス菌から生産菌の探索、2)ビフィズス菌がもつサピエン酸生産系の解明、3)培養工学・代謝改変による生産最適化、を展開する。本研究により、アトピー性皮膚炎をはじめS. aureusが関わる疾病の低負荷治療・予防が実現する。
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研究成果の概要 |
アトピー性皮膚炎を惹起する黄色ブドウ球菌の選択的な抗菌剤の開発・生産を目指して、希少脂肪酸の生産微生物の探索と生産性改善を試みた。これまでに、生産微生物の探索、高生産株の選抜、高生産培養条件の設定、有用添加物の発見、炭酸ガス通気による生産法の更なる改善、など種々の評価を行ってきた。研究成果として、ビフィズス菌に抗菌性を持つ希少脂肪酸16:1Δ7の生産を見出した。また、ビフィズス菌の生育だけでなく脂肪酸生産においても、L-システイン及び炭酸ガスの有効性を示した。また、化学変異導入による高生産変異株を取得した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
ビフィズス菌において、脂質・脂肪酸に関する研究例はほとんどないため、基礎学術的意義の高い研究成果である。一方で、ヨーグルトなど食品として利用され、健康効果についても良く知られるビフィズス菌において抗菌性脂肪酸の蓄積を見出したことは、将来的な抗菌性脂肪酸の実用化や社会実装に向けた研究開発の第一歩となるものと期待される。
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