研究課題/領域番号 |
19K15748
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分38030:応用生物化学関連
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研究機関 | 静岡大学 |
研究代表者 |
宮崎 剛亜 静岡大学, グリーン科学技術研究所, 助教 (30775721)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2020年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2019年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | 糖転移酵素 / 糖質加水分解酵素 / N結合型糖鎖 / O結合型糖鎖 / CAZy / 糖タンパク質 / X線結晶構造解析 / 昆虫 / クライオ電子顕微鏡 / カイコ / 糖鎖 / オリゴ糖 / スクロース |
研究開始時の研究の概要 |
N結合型糖鎖はタンパク質の翻訳後修飾の一つであり、ヒトなどの真核生物においてあらゆる生理機能や疾患などに関与する極めて重要な役割を果たしている。医療用の糖タンパク質の生産方法として昆虫細胞やカイコ虫体を用いた発現系が検討されているが、昆虫のN結合型糖鎖の構造はヒトのそれとは異なる点が大きな問題となっている。一方で、昆虫にはヒト型糖鎖生合成に必須な酵素と類似するタンパク質の遺伝子をゲノム中に有しているが、それらの機能や構造はほとんど解明されていない。本研究では、これら昆虫の機能未知酵素群の構造や機能を明らかにし、これらを利用したヒト型糖鎖の合成や新規機能性糖質を創出することを目的とする。
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研究成果の概要 |
糖タンパク質糖鎖生合成に関与するヒト由来酵素と配列相同性を有する昆虫由来糖転移酵素および糖質加水分解酵素に着目し、カイコ由来β-1,4-GalNAc転移酵素の機能と他の糖転移酵素の一部のドメインの立体構造と機能を明らかにした。カイコ由来α-L-フコシダーゼとα-N-アセチルガラクトサミニダーゼの糖タンパク質糖鎖に対する基質特異性を明らかにした。その他の糖質関連酵素として、2種類のカイコ由来スクロース分解酵素、糖鎖に作用する2種類の腸内細菌由来酵素、N結合型糖鎖前駆体の部分構造であるコージビオースとニゲロースをそれぞれ特異的に加水分解する2種類のバクテリア由来新規酵素の立体構造を明らかにした。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
糖鎖はあらゆる生理機能や疾患、細菌やウイルスの感染に関与しているため、創薬・医療の観点からも重要な研究対象である。本研究においてヒトと昆虫の酵素活性と構造の違いを明らかにしたことから、昆虫細胞や虫体を用いたヒト型糖タンパク質生産の基盤構築に寄与するものと考えらえる。また、糖鎖およびその部分構造に高い特異性を持つ複数の酵素を発見し、その立体構造を明らかにしたことから、酵素を利用した糖鎖の加工技術の開発に応用できる可能性を示した。
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