研究課題/領域番号 |
19K15752
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分38030:応用生物化学関連
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研究機関 | 聖マリアンナ医科大学 |
研究代表者 |
土屋 貴大 聖マリアンナ医科大学, 医学部, 助教 (30790068)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2021-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2020年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2020年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
2019年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
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キーワード | ライリン / 近位依存性ビオチン標識 / ミトコンドリア / DRP1 / CDK1 / BioID / 質量分析 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究の目的はタンパク質「ライリン」の機能を解明することである。ライリンは当初ヒアルロン酸の受容体として同定されたが、その後、がん細胞の浸潤・転移、Tリンパ球の疲弊、腎炎病態に関与するなどの報告がされている。しかし、ライリンについてはこれら病態での分子機序も生理的機能も不明である。一方、我々はライリンが構造的には膜受容体であるにも関わらず細胞質に主局在することを見出し、ライリンは細胞質内でも機能も持つと考えた。本研究は近位依存性ビオチン標識 (BioID)を用いて、細胞内でライリンと一時的にでも相互作用するタンパク質を網羅的に検出同定し、それらの分子的関連からライリンの機能を追求する。
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研究成果の概要 |
近位依存性ビオチン標識(BioID)とそれに続く二次元ウエスタンブロットにより、ライリンと結合したと思われるタンパク質スポットを17個見出した。質量分析によりこれらのタンパク質の同定を試み、複数の候補タンパク質が同定された。一方、二重免疫細胞染色を用いたライリンの細胞内局在の解析により、ライリンがミトコンドリアとその近傍に主局在することが見出された。さらに、ライリンがサイクリン依存性キナーゼ1(CDK1)とダイナミン関連タンパク質1(DRP1)の活性化を介してミトコンドリアの切断を促進することを明らかにした。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
これまでライリンが結合するタンパク質は、一部の細胞骨格タンパク質を除いて不明であった。本研究はライリンと細胞質中で結合する新規候補タンパク質を複数同定できたという点で学術的意義がある。また本研究は、これまでヒアルロン酸の受容体とされていたライリンについて、「ミトコンドリアの切断促進」という新たな細胞内での機能を見出したという点で学術的意義がある。
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