研究課題/領域番号 |
19K15757
|
研究種目 |
若手研究
|
配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分38040:生物有機化学関連
|
研究機関 | 静岡県立大学 |
研究代表者 |
岸本 真治 静岡県立大学, 薬学部, 助教 (40814330)
|
研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2021-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2020年度)
|
配分額 *注記 |
3,380千円 (直接経費: 2,600千円、間接経費: 780千円)
2020年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2019年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
|
キーワード | 酵素反応 / ヘム / 新規化合物 / 糸状菌二次代謝 / 基質選択性 / シクロペナーゼ / 反応機構 |
研究開始時の研究の概要 |
シクロペナーゼはヘモシアニンという酸素運搬タンパク質に類似したアミノ酸配列を有していながら化合物の骨格変換を担っている酵素である。シクロペナーゼはなぜ類似タンパク質と全く異なる機能を有するようになったのか。その原因を解明するのが本研究の目的である。これまでの研究で、ヘモシアニンには存在しないヘム結合ドメインが何らかの形でシクロペナーゼの機能に関わっていることが示唆されている。そこで、変異体酵素のⅩ線結晶構造解析など基質とタンパク質の相互作用を調べる方法や速度論的な解析を軸にしてシクロペナーゼ中でヘム結合ドメインの果たしている役割を解明する。
|
研究成果の概要 |
近年我々が見出した新規酵素シクロペナーゼは酸素運搬タンパク質であるヘモシアニンとよく似たアミノ酸配列を有していながら全く異なる酵素活性を示す。この原因の一つとしてシクロペナーゼのみが有するヘム結合ドメインが考えられたため、その機能を明らかにするべく研究を行った。酵素中に存在するヘムの量を減少させると基質との親和性に影響を与えず酵素活性を低下させたこと、金属結合ドメインに変異がある酵素とヘム結合ドメインに変異のある酵素を混合すると酵素活性が回復したこと、ヘムを含まない状態でも酵素活性を示すシクロペナーゼを見出したことから、シクロペナーゼ中のヘムは酵素活性の制御に関与していることが示唆された。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究では酸素運搬タンパク質とシクロペナーゼの違いの一つであるヘム結合ドメインがどのようにして機能しているかを明らかにするべく実験を行った。本研究期間では完全な解明には至っていないが研究を突き詰めて酵素活性の違いを生む要因を明らかにすることで、タンパク質に新しい機能を与えるための知見が得られる。これにより、将来的に望みの活性を有する新規酵素を創出できるようになると期待できる。
|