研究課題/領域番号 |
19K15770
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分38050:食品科学関連
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研究機関 | 札幌医科大学 |
研究代表者 |
白石 宗 札幌医科大学, 医学部, 助教 (70725168)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2020年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
2019年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
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キーワード | Lactobacillus gasseri / 膜小胞 / リポテイコ酸 / プロバイオティクス / ポストバイオティクス / バイオジェニックス / バイオジェニクス |
研究開始時の研究の概要 |
プロバイオティクスとして多くの乳酸菌が機能性食品素材として利用され、様々な保健効果が着目されている。これらの責任分子の多くは代謝産物や菌体の構成成分である。一方、細菌の細胞膜から産生されて菌体外に放出される膜小胞(MV)は、宿主と相互作用することが知られている。しかし、乳酸菌のような有用細菌に関するMVの知見はまだまだ少ない。そこで本研究では、有用細菌として知られる Lactobacillus gasseri に着目して、本菌が産生するMVの免疫誘導能および、内包タンパク質や表層構成分子を含む特徴を明らかにすることで、MVを新たなバイオジェニクスとした機能性食品素材への応用の可能性を評価する。
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研究成果の概要 |
本研究では、宿主と相互作用する「膜小胞(MV)」に関して、乳酸菌のMVの知見が少ないことに着目して、Lactobacillus gasseri のMVの特徴と免疫誘導能を明らかにすることで、MVの応用の可能性を評価することを目的とした。L. gasseri JCM 1131T および Staphylococcus aureus ATCC 10832 のMVを精製して、両MVに免疫調節因子として知られているリポテイコ酸(LTA)が含まれていることを明らかにした。THP-1、SW480細胞における各種サイトカインの誘導能を評価したところ、菌体と異なるMVの免疫誘導能を明らかにした。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
MVは、菌体にとって生理的な役割を担うだけでなく、宿主と相互作用することも知られている。一方で、乳酸菌のMVの知見は少なく、腸内乳酸菌 Lactobacillus gasseri のMVに関する情報はこれまで皆無だった。本研究では、Staphylococcus aureus を比較対象として、両者のMVに免疫調節因子として知られるLTAが検出され、MVのサイトカイン誘導能を評価することで菌体との違いが示唆されたことは、乳酸菌のMVを介した宿主との相互作用機序の解明において重大な意義をもつ。さらに、将来的にMVをポストバイオティクスとして応用することも期待され、社会的な意義も大きいと考えられる。
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