研究課題/領域番号 |
19K15772
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分38050:食品科学関連
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研究機関 | 県立広島大学 |
研究代表者 |
石橋 ちなみ 県立広島大学, 地域創生学部, 助教 (80823418)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2020年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2019年度: 3,120千円 (直接経費: 2,400千円、間接経費: 720千円)
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キーワード | 澱粉 / 老化 / ゲル / 結晶 / 物性 / 構造 / アミロース / アミロペクチン / 動的粘弾性測定 / テクスチャー / 構造形成 |
研究開始時の研究の概要 |
澱粉の老化は,硬く,消化性の悪い状態となり一般的に好まれないが,シリアル等,老化による特性を生かした製品も存在するため,老化によって生じる物性変化を把握し,老化を制御することが必要である。しかし,老化過程では様々な物理的な構造変化(ゲル構造や結晶構造の形成)が生じること,多数の要因が老化に影響すること,老化評価が難しいことが挙げられるため,老化による一連の物理的な構造変化と物性との関連性を系統的に明らかにした研究はみられない。本研究では,老化に影響を及ぼす要因(水分量,保存温度)を踏まえ,老化による物理的な構造形成機構(結晶構造,ゲル構造)と物性変化との関連性を明らかにすることを目的とする。
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研究成果の概要 |
本研究では,澱粉の老化による物理的な構造形成機構と物性変化との関連性を明らかにすることを目的とした。澱粉濃度15%,30%のゲルは,いずれも4℃の保存により老化した。テクスチャーにおいては,保存により澱粉30%は脆くて硬い物性になった一方,澱粉15%では物性の顕著な変化は認められなかった。これは,澱粉15%では,老化澱粉量が少ないため構造構築に至らず,老化しても物性に反映されなかったと推察された。以上より,澱粉の老化がゲルの物性に及ぼす影響は,澱粉濃度によって異なることが明らかとなった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
澱粉の老化は,糊化した澱粉の保存により硬さ,脆さといった物性が変化する現象である。このことから,老化によって生じる物性変化を把握し,老化を制御することが重要である。本研究は,保存により澱粉30%は脆くて硬い物性へと変化する一方,澱粉15%では物性の顕著な変化は認められず,物性変化の程度は澱粉濃度によって大きく異なることを見出した。本研究は,澱粉加工品における保存による経時的な物性変化の要因解明あるいは物性制御のための基礎的知見として役立つことが期待される。
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