研究課題/領域番号 |
19K15773
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分38050:食品科学関連
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研究機関 | 医療創生大学 |
研究代表者 |
佐藤 陽 医療創生大学, 薬学部, 准教授 (20458235)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2019年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | ペプチド / 10-ヒドロキシ-2-デセン酸 / ローヤルゼリー / アナフィラキシー / 体温低下 / アルデヒド / 血小板活性化因子 / 脂肪酸 / ヒスタミン / ロイヤリシン / 10-HDA / PAF |
研究開始時の研究の概要 |
アナフィラキシーは、食物や昆虫、薬物などをアレルゲンとして起こる最も重篤で生命に危険を及ぼす全身性のアレルギー疾患である。血小板活性化因子(PAF)はアナフィラキシーの発症に関与する脂質メディエーターとして知られており、その活性を抑えることで致死的なアナフィラキシーを予防、改善できる。本研究では、ミツバチが合成・分泌するローヤルゼリーの成分由来のペプチド化合物による、PAFを標的としたアナフィラキシー予防改善効果を検証し、最終的には本ペプチドを低コストで生体に安全な、かつ効果的な素材(健康食品、化粧品、薬剤など)として提供することを目指す。
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研究成果の概要 |
血小板活性化因子(PAF)は、アナフィラキシーにおける重要な脂質メディエーターであり、その活性を阻害することで致死的症状を予防できる。今回、ローヤルゼリーに含まれるロイヤリシン由来のビオチニル化ペプチドや、脂肪酸の10-ヒドロキシ-2-デセン酸(10-HDA)はいずれも、動物試験において、PAFの活性を抑制し、アナフィラキシーショックによる体温低下を抑制した。10-HDAは経口摂取でも体温低下抑制効果を示した。さらに、10-HDAの代謝酵素阻害薬を用いて検討した結果、10-HDAの中間代謝物(アルデヒド)がアナフィラキシーによる体温低下を有意な阻害する可能性が示唆された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究により、ローヤルゼリー由来のペプチドや脂肪酸がアナフィラキシーによる体温低下を有意に抑制することが動物試験により明らかとなった。もしこれら化合物がアナフィラキシーの予防・治療薬として実用化された場合、既存薬と併せて用いることで治療効果のさらなる向上や患者の死亡率低下などにつながることが期待される。さらに、本化合物を健康食品や化粧品などへ利用することによるアナフィラキシー発症予防効果が期待できると考えられる。以上より、本研究成果による社会的波及効果、意義は極めて高いと考える。
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