研究課題/領域番号 |
19K15775
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分38050:食品科学関連
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研究機関 | 帝京大学 |
研究代表者 |
石橋 賢一 帝京大学, 薬学部, 助教 (00707458)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2021年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2019年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | トランス脂肪酸 / インスリン応答性 / Akt / 膜リン脂質 / リン脂質 / インスリンシグナル / リン脂質分子種 / 飽和脂肪酸 |
研究開始時の研究の概要 |
人工のトランス脂肪酸を多く摂取すると、立体構造が類似する天然の飽和脂肪酸を多く摂取した時のように疾患の発症リスクが高まることが報告されている。そこで本研究では、細胞膜でのリン脂質の変化に着目し、人工のトランス脂肪酸が起こす細胞機能の障害に関わる因子を明らかにする。この現象に関わる分子として、すでに特定したAktを中心に、(1)Aktが活性化する場である細胞膜の脂質ラフトのリン脂質に焦点を絞った解析と、(2)リピドミクス解析やマイクロアレイ解析による網羅的な解析を並行して進める。これにより、天然の物質と似た構造の人工の物質が細胞機能を障害し、生体機能を乱すメカニズムの一端が明らかになると考える。
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研究成果の概要 |
人工のトランス脂肪酸はどのようにして、構造が類似する天然の飽和脂肪酸とは異なるメカニズムで細胞機能を障害するのかを明らかにすることを目的とした。これまでに明らかにしてきた細胞膜のリン脂質組成とインスリンシグナルの鍵分子であるAktへのエライジン酸(人工のトランス脂肪酸)の影響に着目したところ、エライジン酸が結合したリン脂質の出現と、それに引き続く特定のリン脂質分子種の量の減少によって、細胞膜のAktの量が増えにくくなることが示唆された。また、上記のリン脂質分子種の量の変化に関わる可能性がある遺伝子の発現レベルの変化も見出され、トランス脂肪酸が引き起こす細胞機能障害の機序の一端が明らかとなった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究では、トランス脂肪酸が引き起こす細胞機能障害に関わる分子をいくつか明らかにした。これらの分子の量や活性を指標とすれば、トランス脂肪酸による細胞機能障害の把握や予測が可能になると考える。これによりトランス脂肪酸の摂取量と疾患発症との関係をより正しく評価できる可能性があり、疾患発症との新たな関係の解明や摂取量の提言に貢献できると考える。
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