研究課題/領域番号 |
19K15776
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分38050:食品科学関連
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研究機関 | 日本大学 |
研究代表者 |
三浦 徳 日本大学, 生物資源科学部, ポスト・ドクトラル・フェロー (90826281)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2021-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2020年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2020年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
2019年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
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キーワード | 非アルコール性脂肪性肝疾患 / 脂肪肝 / 肝線維化 / アミノ酸 / メタボロミクス / トランスクリプトミクス / NAFLD / 非アルコール性脂肪性肝炎 / NASH / トランスクリプトーム解析 / 肝機能 |
研究開始時の研究の概要 |
世界的な肥満人口の増加と共に非アルコール性脂肪性肝疾患(NAFLD)が急増している。しかし、その予防法や病態悪化の予測技術は未発達である。本研究では、ヒトの非アルコール性脂肪肝炎(NASH)病態を模倣するNASHモデルマウスおよび初代培養細胞を用いて①アミノ酸がNAFLDの悪化を予測するバイオマーカーとなり得るのか?、②アミノ酸バランスの調節でNAFLDの悪化を予防できるのか?の2点を解明する。本研究はNAFLDの悪化を事前に予測し、日々の食生活で病態悪化を未然に防ぐ、アミノ酸を用いた新たな疾患予防・予測技術の開発を目的とした研究である。
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研究成果の概要 |
本研究では、まずCDAHFD誘導NASHモデルマウスを用いて、NASH病態の経時的変化を解析した。CDAHFD給餌は、急激な肝臓への脂質蓄積と免疫細胞浸潤、そして線維化シグナルの活性化を誘導した。続いて、トランスクリプトーム解析とメタボローム解析を用いて、これらの表現型と代謝的変化との関連性を評価した。その結果、ペントースリン酸経路などの炭水化物代謝、グルタチオンなどの酸化還元状態の異常が線維形成と関連する可能性が明らかとなった。以上のことから、アミノ酸代謝の変化が炭水化物などの他の代謝経路の異常と関連することで、NAFLD/NASH病態の悪化の一端を担うことが明らかとなった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
NAFLD/NASHは、悪化の指標となるバイオマーカーや効果的な治療法が乏しいことから、それらの確立が急務となっている。本研究では、アミノ酸代謝がNAFLD/NASHの病態進行において担う役割や、病態予測において有用である可能性を明らかにすることができた。本研究の成果は、肝臓における代謝破綻と病態形成の関係性を明らかにするのみならず、アミノ酸の機能性やその分子機序の理解へと繋がる重要な知見となる。今後は、NASH発症のトリガーとなる代謝経路の特定と詳細な分子メカニズムの解明を通じて、NAFLD/NASHを克服する社会の実現に向けて努力してゆきたい。
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