研究課題/領域番号 |
19K15792
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分38050:食品科学関連
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研究機関 | 静岡県立大学 |
研究代表者 |
寺田 祐子 静岡県立大学, 食品栄養科学部, 助教 (80767632)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2020年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2019年度: 2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
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キーワード | 化学感覚受容体 / 皮膚老化 / 皮膚線維芽細胞 / コラーゲン産生 / 嗅覚受容体 / 天然物 / コラーゲン / 皮膚老化抑制 / 3D皮膚モデル / 味覚受容体 / TRPチャネル / 温度感受性TRPチャネル / アンチエイジング |
研究開始時の研究の概要 |
高齢化社会の到来に伴い、見た目を若々しく保ちたいという“外面のアンチエイジング”への需要が高まっている。伝統的に皮膚老化抑制効果があるとされる食品は数多く存在するものの、有効性や作用メカニズムなどの科学的根拠が不足している。 本研究では、線維芽細胞の化学感覚受容体に作用する食品成分について皮膚老化抑制効果を検証し、さらにその分子機構を明らかとする。本研究の遂行により、これまで味や香りの感知に関わる分子として研究されてきた化学感覚受容体を標的として皮膚機能を制御する、新しいコンセプトが提示され、機能性食品、医薬品、化粧品、室内芳香剤、衣料用洗剤などの開発につながることが期待できる。
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研究成果の概要 |
ヒト皮膚線維芽細胞における味覚・嗅覚関連受容体434種の発現を網羅的に解析し、13種類についてmRNAが高レベルに発現していることを明らかにした。それら受容体に対する食品・天然リガンドを、受容体発現細胞を用いて探索し、見出したリガンドを皮膚線維芽細胞に投与して、細胞外マトリクス産生に与える影響を解析することで、皮膚老化抑制効果を評価した。その結果、バラの香気成分であるゲラニオールが、嗅覚受容体の一種OR1A1の活性化を介して、コラーゲン産生を促進させる可能性が示唆された。分子メカニズムの解析により、コラーゲン産生の主要な経路であるTGFb/smadシグナル経路が活性化されている可能性を得た。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究の遂行により、バラの香気成分であるゲラニオールが、皮膚線維芽細胞に発現する嗅覚受容体の一種OR1A1の活性化を介して、コラーゲン産生を促進させる可能性が示された。皮膚コラーゲンの減少は、シワ、シミの原因となることから、皮膚老化の抑制において、コラーゲン量を増加させることが重要である。本成果は、香り成分を活用した新たな機能性食品、化粧品、薬剤等への開発へとつながることが期待される。
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