研究課題/領域番号 |
19K15809
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分38060:応用分子細胞生物学関連
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
近藤 興 東京大学, 大学院総合文化研究科, 助教 (50728293)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2020年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2019年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
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キーワード | 大腸菌 / 物質生産 / 翻訳促進 / 遺伝子発現 / 翻訳 / 画像解析 / タンパク質発現 / タンパク質翻訳 / 細胞性粘菌 |
研究開始時の研究の概要 |
大腸菌を用いた異種タンパク質の生産は,研究室レベルに留まらず産業レベルでも基盤的な技術として利用される。例えばインスリンの製造をはじめとして,抗体を用いるバイオ医薬品などの製造にも近年では利用され,現在でも用途は拡大している。製造コストを抑えながら大量に物質生産ができることが,社会にとって究極的に有益かつ重要であるが,その技術開発は頭打ちの状態である。 そこで本研究では,研究代表者らが最近見出した「大腸菌のタンパク質翻訳が外来の塩基配列によって促進される現象」を基にしたタンパク質生産力の強化に関する技術開発とその法則性の解明に取り組む。
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研究成果の概要 |
本研究では,研究代表者らが先に見出した「外来の塩基配列によって翻訳が促進される現象(TED)」のメカニズムの解明に取り組んだ。まず,TEDの影響下にある遺伝子の転写産物の量に着目し,レポーター遺伝子のmRNA量を調べた。その結果,対照と比べて数倍程度多かった。さらに,試験管内において TEDの再現を得る方法の検討を行った。その結果,大腸菌由来リボソームなどの精製した分子群を用いることでその再現に成功した。この時,反応に対照と同量のmRNAを用いた場合でもTEDが観察できた。細胞内でのTEDのメカニズムとして,分解抑制によるmRNAの量的変化,リボソームによる翻訳の開始促進があると考えた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
大腸菌を用いた異種タンパク質の生産は,基礎研究のみならず産業レベルでも基盤的な技術である。我々が見出したTEDと今回明らかにしたそのメカニズムは,これまで生産技術改良が頭打ちになっていたところに,増産に向けた開発の新しい端緒と視点を与えるものである。基礎研究でも簡単に導入可能である。
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