研究課題/領域番号 |
19K15813
|
研究種目 |
若手研究
|
配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分39010:遺伝育種科学関連
|
研究機関 | 帯広畜産大学 |
研究代表者 |
實友 玲奈 帯広畜産大学, 畜産学部, 准教授 (20716378)
|
研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
|
配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2020年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
2019年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
|
キーワード | 四分子型細胞質雄性不稔性 / バレイショ / ミトコンドリアゲノム / 細胞質雄性不稔性 / Solanum stoloniferum / ミトコンドリア / 種間雑種 / バレイショ野生種 / 種間交雑 / 遺伝資源 / 細胞質ゲノム |
研究開始時の研究の概要 |
バレイショには四分子型細胞質雄性不稔性(T-CMS)と呼ばれる花粉の発育が四分子期の状態で停止する完全雄性不稔性が発見されているが、このT-CMSがなぜ起こるのかは分かっていない。本研究では、①野生種と栽培種との交雑により得た正常型雑種とT-CMS型雑種の遺伝子発現を比較し、細胞質ゲノム上に存在するT-CMSの原因遺伝子を同定する、②野生種を再び戻し交雑することにより核ゲノム上に存在すると考えられている稔性回復遺伝子を明らかにする、③花粉粒の成熟過程を組織学的に観察し、T-CMSの発生過程を明らかにする。これらの知見から、細胞質ゲノムと核ゲノムの遺伝的ネットワークの鍵となる遺伝子を位置付ける。
|
研究成果の概要 |
バレイショの四分子型雄性不稔性(T-CMS)を引き起こす細胞質型を明らかにするために24アクセッションのSolanum stoloniferum(sto)と栽培種とを交配し39系統の種間雑種を育成した。それらの花粉稔性を調査した結果、T-CMSを引き起こす系統と引き起こさない系統を見出し、TCMS型の雑種およびそれらの親系統のみが有する859 bpのバンドを発見し、このバンドを持つ細胞質型をTCSstoと名付けた。また、T-CMSを示す種間雑種とその親のstoでのみ出現する組換え型コンティグ(RC-I)を発見し、この組み換え型ミトコンドリア分子がT-CMSを引き起こす可能性を示唆した。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
T-CMSを示す品種の増加により、正常な花粉を産出する系統が減少し、バレイショ育種において花粉親に使用できる系統の枯渇が危惧されてきた。本研究では、品種の中で問題になっているT-CMSがどのstoから引き起こされるのかを明らかにし、それらに特異的に存在するミトコンドリア分子および特異的遺伝子配列を同定した。これによって、T-CMSを示さない遺伝資源を利用し、交雑後代においても正常な花粉を産出する育成系統の作出が可能となり、雄性不稔性によるバレイショ育種の問題を解決する手段となった。
|