研究課題/領域番号 |
19K15818
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分39010:遺伝育種科学関連
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研究機関 | 名古屋大学 (2020-2021) 横浜市立大学 (2019) |
研究代表者 |
肥後 あすか 名古屋大学, 高等研究院(遺伝子), 特任助教 (70812387)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2021年度: 130千円 (直接経費: 100千円、間接経費: 30千円)
2020年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
2019年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
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キーワード | 茎頂分裂組織 / 花成 / 花成ホルモン / フロリゲン / 植物幹細胞 / 転写制御 / 花成における遺伝子発現変動 / ChIL-seq法 / Cel-seq2法 / 茎頂メリステム (SAM) / イネ / タンパク質-DNA相互作用 |
研究開始時の研究の概要 |
植物が適切な時期に花成することは、植物が繁殖を成功させるために重要であるとともに、農業において安定した収量を得るためにも重要な過程である。花成は、花成ホルモン (フロリゲン)が、茎の先端に位置し幹細胞を含む茎頂分裂組織 (SAM)に到達し、転写活性化複合体として機能することで引き起こされるが、SAMが微小な器官であるために、フロリゲンの直接制御標的が同定されていない。本研究では、微小器官でのタンパク質-DNA相互作用の検出を可能とするChIL-seq法用いて、イネフロリゲンのSAMにおける直接制御標的を網羅的に同定し、フロリゲンによる花成の開始についての実体を明らかにする。
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研究成果の概要 |
植物の地上部組織の幹細胞を含む茎頂分裂組織 (SAM)を高純度で単離できるイネに対して、微小器官でのオミクス解析手法を応用することで、花成ホルモン (フロリゲン)の制御標的の網羅的な同定を機能の場であるSAMで行い、花成誘導機構の詳細を明らかにすることを目指した。本研究では、まずSAMでのDNAメチル化動態を解析し、花成の際のエピゲノム動態に関する特徴を明らかにし論文として発表した。また、Cel-seq2法を用いて、花成前後の様々な発生段階にある単一のSAMにおけるトランスクリプトーム解析を実施することで、花成前後の遺伝子発現変動について、既存のものよりも時間解像度の高いデータを得た。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究によりSAMでの花成誘導に特徴的なエピゲノム動態を見出したことから、エピゲノム動態という新たな視点からの花成研究の切り口を提示すつこととなった。また、本研究で得られたトランスクリプトームデータは、既存のデータよりも時間分解能が高いことから、これまで着目されていなかった花成開始関連遺伝子が同定されることが期待される。このような新規の制御点・制御遺伝子は、花成を人工的に操作する化合物等のスクリーニングの新規標的となりうることから、これまでとは異なる花成制御物質の創出につながると期待される。
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