研究課題/領域番号 |
19K15827
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分39030:園芸科学関連
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
津釜 大侑 東京大学, 大学院農学生命科学研究科(農学部), 准教授 (10726061)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2020年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2019年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
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キーワード | アスパラガス / 雌雄性 / 遺伝子 / 転写因子 / ゲノム / シロイヌナズナ / 生殖 / 花粉 / 雌雄異株性 / 花 / データベース / 食用アスパラガス / 植物ホルモン / DNAマーカー |
研究開始時の研究の概要 |
食用アスパラガスは雌雄異株性・多年生の作物であり、雌雄判別・操作技術はその栽培・育種に寄与する。食用アスパラガスの雌株・雌花においては雄蕊が退化し、雄株・雄花においては雌蕊の発達が抑制される。申請者らは近年、これを制御する遺伝子の候補としてAoMYB35を見出した。また、ある種の植物ホルモン様の活性を持つ物質を雄花に与えるとその雌蕊が肥大・発達することも見出した。また、雌蕊の発達抑制が弱まり自殖可能となった雄株も有している。本研究においては、AoMYB35の機能、雌蕊発達促進物質の作用機序、自殖性株の遺伝子発現様式について解析を進め、新規の食用アスパラガスの性決定遺伝子を同定することを目指す。
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研究成果の概要 |
食用アスパラガスの雌雄異株性は少数の遺伝子が制御し、転写因子遺伝子・AoMYB35はその候補である。当方では食用アスパラガスの自殖性株を有している。これらにより新規の食用アスパラガス雌雄性制御遺伝子を得ることが本研究の目的である。AoMYB35とそのシロイヌナズナにおける相同因子で花粉成熟に必須であるAtMYB35が結合するDNA配列を網羅的に解析し、それらの間に差異を見出した。これに基づく解析から不稔・半不稔のシロイヌナズナ変異体を得た。自殖性株の雌蕊と雄蕊の転写産物を網羅的に解析した。既知データを利用し雄株特異的な遺伝子を新たに2個得た。これらは食用アスパラガスの雌雄性の追究に役立ちうる。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
AoMYB35が結合するDNA配列とAtMYB35結合配列が互いに異なることは事前の予想に反しており、食用アスパラガスの雌雄異株性の進化を考える上で興味深いと考えている。本研究で単離したシロイヌナズナの半不稔変異体からは新規の植物生殖制御遺伝子が単離できる可能性があり、これは作物等有用植物の生殖様式の制御・改変にも利用できる可能性がある。本研究で得た2個の食用アスパラガス雄株特異的遺伝子の機能は、それらの配列から推定することは困難であり、今後解析を行い明らかにする必要があるが、これは学術的に興味深く、食用アスパラガスの雌雄性を理解し制御することにも役立つ可能性がある。
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