研究課題/領域番号 |
19K15829
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分39030:園芸科学関連
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研究機関 | 千葉大学 |
研究代表者 |
宮原 平 千葉大学, 大学院園芸学研究科, 講師 (90720889)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2021-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2020年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2019年度: 2,730千円 (直接経費: 2,100千円、間接経費: 630千円)
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キーワード | デルフィニウム / 花色 / 濃淡 / アントシアニン / 花色の濃淡 |
研究開始時の研究の概要 |
花色の多様性はアントシアニン構造の多様性とともに蓄積量の多寡により生み出されている。アントシアニン合成経路については、その合成酵素遺伝子群のほとんどが明らかにされている。一方で、花色の濃淡については依然として不明な点が多い。花色の濃淡はアントシアニン分子種という「質」、その合成蓄積「量」、および色素物質間の相互作用といった要因によって生み出されると考えられる。しかし、現状では花色に関わる因子のそれぞれの役割が判明しているのみで、それらが実際にどのように複合的に濃淡に影響を与えているのかについては調べられていない。本研究では、上記の複合的な因子による花色濃淡を生み出す機構を解明する。
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研究成果の概要 |
デルフィニウムにおけるアントシアニン合成関連遺伝子群の変動と花色の濃淡の関連性を包括的に調査し、生産現場における遺伝的要因および環境要因による花色の変化について、花色濃淡が生み出される機構を明らかにすることを目的とした。遺伝的要因による花色変化では、フラボノール合成酵素遺伝子とアントシアニン合成酵素遺伝子の発現の強弱により花色が大きく異なることが示された。また、環境要因による花色変化ではアントシアニン構造自体に変化はなく、アントシアニン代謝経路全体の遺伝子発現を制御している転写調節因子が温度条件により発現変動することで、アントシアニン合成量を制御していることが示唆された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
これまでの多くの花色研究では遺伝的に異なる品種や遺伝的背景が不明な品種を比較対象とした解析を行なっており、研究対象としている色素合成に関与する遺伝子以外に花色に関連する因子の有無が不明であった。本研究では、同じ親から得られたF2個体群や同一品種における花色変化の原因をトランスクリプトーム解析により包括的に調査することで、発現に変動がみられる遺伝子を真に花色に影響を与える因子として特定した。本研究のように遺伝的背景が明確な個体を使用した解析結果を基礎として、さらに様々な比較解析を行うことで、初めてその原因遺伝子等の因子を特定することが可能であるため、本研究の学術的意義は大きい。
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