研究課題/領域番号 |
19K15832
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分39030:園芸科学関連
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
西山 総一郎 京都大学, 農学研究科, 助教 (50827566)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2021-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2020年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2020年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2019年度: 2,600千円 (直接経費: 2,000千円、間接経費: 600千円)
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キーワード | 果樹 / ゲノム / 倍数体 / トランスクリプトーム / 果実発達 / 果実品質 / 倍数性 / 器官サイズ / 全ゲノム解析 / 枝変わり |
研究開始時の研究の概要 |
果樹における果実サイズは主要な育種対象の一つであり、これを自在に操ることは育種・栽培に関わる者の悲願である。‘突核無’はカキの九倍体品種‘平核無’の枝変わりであり、栽培ガキとしては特異に小果である。我々はこれをカキの果実サイズの遺伝解析を可能とする材料とみなして研究を行っている。これまでその高次倍数性や、栄養繁殖による多型の蓄積が常に解析のネックであったが、近年‘突核無’から元品種の‘平核無’と同様のサイズに成長する復帰体が複数得られている。本研究ではそれらの全ゲノムやトランスクリプトーム等の比較を行い、小果変異とその作用機作の解明を目指すものである。
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研究成果の概要 |
本研究では、果実の商品価値を決定する重要な要素の一つである果実サイズについて、カキの主要栽培品種である九倍体 ‘平核無’ から生じた小果変異を対象に、ゲノミクスと果実生理の側面から解析した。今回対象とした小果変異体は、細胞サイズに違いはないが、細胞数が極めて少ない。開花期前後の子房組織の発達特性やトランスクリプトームを詳細に調査した結果、器官発達の速度が果実サイズと関連している可能性が示された。ゲノムデータも組合わせ、‘平核無’ のゲノム特性や、小果変異の果実成熟に対する多面発現のメカニズムと起源を推定することができた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
果樹における果実サイズは主要な育種対象の一つであり、これを自在に操ることは育種・栽培に関わる者の悲願である。本研究では、園芸学上重要な果実サイズ多様性の基盤となる分子メカニズムの一端を明らかにした。果樹作物において果実サイズの制御メカニズムが明らかにされた例は極めて限られており、本研究の成果は重要である。また、本研究では、小果変異を制御する有力な候補遺伝子や、エピジェネティック制御と思われる新たな果実サイズ変異体を見出しており、今後この解析を通して果実サイズの人為改変に向けた新たな知見が得られると期待できる。
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