研究課題/領域番号 |
19K15840
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分39040:植物保護科学関連
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
北沢 優悟 東京大学, 大学院農学生命科学研究科(農学部), 特任研究員 (50803160)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2021-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2020年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2020年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
2019年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
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キーワード | ファイトプラズマ / ファイロジェン |
研究開始時の研究の概要 |
植物病原細菌ファイトプラズマが分泌するタンパク質「ファイロジェン」は、植物の花器官を葉に転換させる葉化を引きおこすのに加えて、媒介昆虫を植物に誘引することが報告されているが、そのメカニズムについての詳細は不明である。本研究はファイロジェンの標的となる既知の植物因子に構造が類似した異なる宿主因子がファイロジェンの標的となるかを検証し、その影響を解析する。これにより、本因子の多機能性の根底にある分子的機能が解明されることが期待される。
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研究成果の概要 |
本研究では、植物病原細菌ファイトプラスズマが分泌する花器官葉化誘導因子ファイロジェンが、葉化以外に昆虫誘因能などを示すことに着目し、この多機能性の根底にある分子的機能の解明を目指した。ファイロジェンが標的とする宿主因子のスクリーニングを行い、既知の花器官形成関連因子に加え、昆虫応答関連因子を含む様々な宿主因子にファイロジェンが結合し、その分解を誘導することが判明した。さらに、多種のファイトプラズマからファイロジェンを同定し機能を比較したところ、その機能には差異が見受けられ、ファイトプラズマごとにファイロジェンの機能が多様化していることが示された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
ファイトプラズマにとって、媒介昆虫を介した感染植物から他植物への伝搬は生存のための最重要課題である。本研究では花器官葉化因子であり昆虫誘因因子としても知られるファイロジェンの機能解析の結果、当該多機能性を支配する分子機構の解明につながる新規標的因子を同定したものであり、植物-昆虫間を交互に感染するファイトプラズマの感染戦略の解明につながる。さらに本研究ではファイトプラズマ間でファイロジェンの機能が多様化していることを示しており、本成果はファイトプラズマが世界中で様々な植物に感染する上で環境適応を如何に成し遂げたかを解明する端緒となりうる。
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