研究課題/領域番号 |
19K15842
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分39040:植物保護科学関連
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研究機関 | 弘前大学 (2020) 秋田県立大学 (2019) |
研究代表者 |
対馬 大希 弘前大学, 医学研究科, 研究機関研究員 (20803943)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2021-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2020年度)
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配分額 *注記 |
3,380千円 (直接経費: 2,600千円、間接経費: 780千円)
2020年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2019年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
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キーワード | ウイロイド / PSTVd / スモールRNA / マイクロRNA / トマト |
研究開始時の研究の概要 |
申請者はこれまで、植物病原体であるジャガイモやせいもウイロイド(PSTVd)の複製能や病原性を制御するウイロイド(病原体)側の構造領域を特定してきた。本研究では、これまでの研究成果を発展させ、ウイロイドの病原性を制御する構造領域を絞り込むと共に、ウイロイドの病徴発現に伴って蓄積量が変化するウイロイドゲノム由来のスモールRNAや、宿主(植物)側のマイクロRNAの関連性を分析し、病徴発現と関連する標的宿主因子の特定を行う。さらに、植物検疫上の有害種を含むポスピウイロイド科の別種ウイロイドにも分析対象を拡げることで、関連分野が直面している基礎研究上及び病害防除上の課題解決に貢献できると考えている。
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研究成果の概要 |
PSTVd弱毒株の左側分子に特徴的な塩基変異について、PSTVd強毒株に変異を導入した変異体10種を構築し、感染性クローンをRutgersトマトへ接種したところ、全ての変異体が感染性を示した。感染後の変異体の塩基配列は、高確率で共変異を誘導するが、病原性にはほとんど影響しないことが明らかになった。しかしながら、42番塩基のC→Uに単一の変異誘導によって、一部の強毒株が弱毒化に至った。 次世代シークエンス解析で得られたデータをもとにin silico解析を実施し、標的宿主因子として見出されたマイクロRNA種について、標的候補2種の検出用プローブを選定し検定したが、差異は見られなかった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
日本国内では、行政機関等の研究所でウイロイド病の診断や作物への影響の調査は行っているが、ウイロイドの病原性メカニズムに関する研究までは至っておらず、本研究はこれまでに得られた基礎データをもとに進展させた研究であると言える。近年、ヒトの脳内にもウイロイドと同じ環状一本鎖RNAが多数存在していることが発見され、その機能が注目されている。すなわち、本研究によって得られる知見は、将来的には植物だけでなく動物の研究にも有益な情報を提供できる可能性を秘めている。
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