研究課題/領域番号 |
19K15851
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分39050:昆虫科学関連
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研究機関 | 学習院大学 |
研究代表者 |
武田 晃司 学習院大学, 理学部, 助教 (80805250)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
中途終了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2022年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2021年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2020年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2019年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | 消化管ホルモン / 老化トレードオフ / 寿命 / 腸老化 / 腸ホルモン / 生殖 / 附属腺 / ショウジョウバエ / 腸ホルモンと個体寿命 / 腸老化と生殖能力 / エネルギー・トレードオフ / インスリン / 脳腸ホルモン |
研究開始時の研究の概要 |
申請者はショウジョウバエを用いて、腸で産生される2種類のホルモンが腸老化と個体寿命を制御していることを明らかにした。しかし、腸老化が個体寿命を制御するわけではなく、腸から血中に放出されたホルモンが個体の寿命を制御する際の標的組織は、腸以外の組織であると推察された。さらに、ある腸ホルモンの産生を阻害した長寿個体では腸老化が起きにくくなる一方で、若齢で内部生殖器の老化が早まった。そこで寿命制御に関わる腸ホルモン標的組織探索と組織間老化制御機構の解明を試み、生物における寿命と生殖能力の間の制御機構を解き明かし、最終目標である“長命化し老化した個体は生殖戦略の成功者になりうるのか”について研究を行う。
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研究実績の概要 |
腸で産生される2種類のホルモンが腸老化と個体寿命を制御していることを明らかとなっている。しかし、この研究では腸老化が個体寿命を制御するわけではないことも分かっている。つまり、腸から血中に放出されたホルモンが個体の寿命を制御する際の標的組織は、腸以外の別の組織であると推察された。そこで、腸のホルモンが作用する標的組織の探索と、老化の定量化を行った。 <各系統のRNAseqによる遺伝子発現解析> 各系統の消化管から抽出したRNAを用いた遺伝子発現量比較解析を試みた。これらの結果、AstAノックダウンでは老化のマーカー遺伝子が早期に上昇し、一方Dh31ノックダウンでは老化マーカーの発現量が低下することが分かった。 <2種類の腸ホルモンが消化器官と生殖器官の間のエネルギー調整を行うかどうか検証> 腸ホルモンがいずれかの臓器に作用することで、体内のエネルギー分配を調節している可能性が考えられる。そこで、栄養吸収に関与する因子として、インスリン受容体に着目した。その結果、Dh31阻害による老化遅延系統において、インスリン受容体のノックダウン又は強制発現を行うことで、消化管と生殖器官の老化症状を変化させることに成功した。これまでの老化・生殖に関する研究はそれぞれが独立した分野ごとに研究が進められ、これらの事象を同時に捉えた組織間の老化のバランス調節と生殖能力に関する分子細胞生物学的な研究は世界的にも未だ無い。今後、より詳細な解析を行うことで、インスリンシグナルと消化管ホルモンとで調節される老化制御機構の解明が期待される。
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