研究課題/領域番号 |
19K15871
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分40010:森林科学関連
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研究機関 | 静岡大学 |
研究代表者 |
富永 晃好 静岡大学, 農学部, 助教 (50776490)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2021年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2020年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2019年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
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キーワード | ナガボナツハゼ / アカマツ / 菌根菌 / 共生 / 菌糸ネットワーク / 絶滅危惧種 / ツツジ科 / マツ科 / マツ / 絶滅危惧 / 3者間共生 |
研究開始時の研究の概要 |
ナガボナツハゼはツツジ科スノキ属の絶滅危惧種であり、絶滅回避技術確立のためには絶滅危機に至った原因を究明することが必須である。この原因について、ツツジ科およびマツ科植物が代表的な菌根菌共生植物であることと、ナガボナツハゼがマツの樹周辺にのみ自生するという調査に基づき、「ナガボナツハゼは、地下部で菌根菌の菌糸を経由してマツと繋がっており、マツの養分に依存して生きているのではないか?」と考え、植物・菌・植物の3者間共生の仮説を立てた。本研究ではこれを検証し、我が国のマツ林の激減とナガボナツハゼの絶滅危機との因果関係を科学的に解明するとともに、絶滅危惧種の絶滅回避技術確立のための基盤を形成する。
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研究成果の概要 |
ツツジ科ナガボナツハゼは絶滅危惧IA類に指定されており,生存数が減少した要因の解明が喫緊の課題となっている.本研究では,ナガボナツハゼの絶滅危機を回避するための基礎的知見を得ることを目的とし,自生地と人工栽培条件下におけるナガボナツハゼとアカマツの菌根菌共生メカニズムの解析を行った.この結果,ナガボナツハゼとアカマツは複数の共通菌根菌と共生し,外生様菌根を形成することが明らかになった.また,ナガボナツハゼの生育には外生様菌根形成の影響が大きく,菌根形成に適切な条件を明らかにすることが絶滅危機を回避するために重要であると考えられた.
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究では,ツツジ科ナガボナツハゼが絶滅の危機に瀕している原因の解明を試みた。この結果、ナガボナツハゼは自生地においてアカマツの近くに生息しており、アカマツと複数の共通菌根菌を有し,特殊な菌根を形成することが明らかになった.特に,Helotiales目の菌は環境が異なっても共通菌根菌として検出され,重要な機能を持っていると考えられた.また,ナガボナツハゼの菌根はアカマツと混植することで形成され,生育に大きな影響を与える可能性が示唆された.この共生メカニズムを解明できれば,ナガボナツハゼの絶滅回避につながるとともに,近縁のブルーベリー等の園芸作物の栽培技術開発への応用も期待される.
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