研究課題/領域番号 |
19K15874
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分40010:森林科学関連
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研究機関 | 東京都立大学 |
研究代表者 |
高木 悦郎 東京都立大学, 都市環境科学研究科, 助教 (60718675)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2021年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2020年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2019年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
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キーワード | 樹皮下キクイムシ / トドマツノキクイムシ / モミ属 / 産卵選好性 / 寄主選好性 / 地理的変異 / 寄主利用能力 |
研究開始時の研究の概要 |
近年,トドマツノキクイムシ(以下,トドキクイ)による被害が,ロシアや日本において顕在化してきている.しかし,トドキクイの生態に関する知見は未だ非常に乏しく,それぞれの樹種に対する加害様式はほとんど明らかになっていない.さらにモミ属各種はほぼ異所的に分布しているため,トドキクイは分布域によって利用できる樹種が異なる.このような場合,寄主に対する加害様式に地理的変異が存在することがある.そこで本研究では,気候変動などで起こりうるトドキクイの分布変化が,トドキクイの加害様式に与える影響を明らかにするために,1)異なる樹種間での産卵選好性と寄主利用能力の違いと,2)その地理的変異を明らかにする.
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研究成果の概要 |
樹皮下キクイムシは,世界中の針葉樹林で甚大な被害を及ぼしている.近年アジアでも,樹皮下キクイムシの一種であるトドマツノキクイムシによる被害が顕在化している.2019年度から2023年度の5年間の助成では,トドマツノキクイムシを材料に,樹皮下キクイムシの産卵選好性と寄主利用能力,およびその地理的変異を明らかにすることを目的とした.これまで,以下のX点に関する9本査読付き国際論文が受理,公表された. 1)小径木への選好性,2)繁殖様式と坑道の様式,3)穿孔場所と樹皮構造の関係,4)産卵選好性とその地理的変異,5)加害成功率とその地理的変異,6)再寄生の発見,7)伐倒・風倒木の効果的な処理.
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
樹皮下キクイムシは,世界中の針葉樹林で甚大な被害を及ぼしている.近年アジアでも,樹皮下キクイムシの一種であるトドマツノキクイムシによる被害が顕在化している.こうした被害は,木材生産への経済的悪影響だけでなく,物質循環,生物多様性,文化的サービスへも悪影響を及ぼしている.悪影響とそのメカニズムをより明らかにし,効果的な対策を行うために葉、樹皮下キクイムシの生態を明らかにする必要がある.本課題による成果によって,樹皮下キクイムシがどのような寄主を好むかや,繁殖様式,およびそれらの地理的変異を明らかになり,発生リスクの推定および効果的な防除方法を示す足がかりが得られた.
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