研究課題/領域番号 |
19K15877
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分40010:森林科学関連
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研究機関 | 国立研究開発法人森林研究・整備機構 |
研究代表者 |
小澤 壮太 国立研究開発法人森林研究・整備機構, 森林総合研究所, 研究員 (10753139)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2021年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2020年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2019年度: 2,990千円 (直接経費: 2,300千円、間接経費: 690千円)
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キーワード | マツノザイセンチュウ近縁種 / 便乗型成虫 / マツノマダラカミキリ / マツノザイセンチュウ / カミキリムシ / 寄生生態 / 寄主転換操作 |
研究開始時の研究の概要 |
マツ材線虫病は病原体マツノザイセンチュウがマツノマダラカミキリによって媒介されることで起こるマツ類樹木の伝染病である。本研究では、昆虫寄生性線虫の寄主転換という新たな着想に基づく、線虫を利用した本病防除技術の開発を目指す。 具体的には、寄生型成虫という特異な発育ステージをもつマツノザイセンチュウ近縁2種について、生活環や形態に関する詳細な観察などを行い、それらの寄生生態を解明する。次に、寄主転換操作により寄生型成虫をマツノマダラカミキリに人工的に寄生させることで、両種線虫の寄生能力と寄主昆虫不妊化の程度を評価し、防除素材としての有効性を検証する。
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研究成果の概要 |
マツノザイセンチュウ近縁2種の寄生型成虫の生態を解明し、本来の媒介昆虫ではないマツノマダラカミキリに寄生型成虫を保持させた際に与える影響を調べることで、防除素材としての有効性を評価しようとした。寄生型成虫の本来の媒介昆虫への侵入部位を調べた結果、寄生型成虫は媒介昆虫に寄生しておらず、単に便乗しているものと確認した(寄生型成虫の名称は便乗型成虫になった)。便乗型成虫の経過観察により、便乗ステージでありながら増殖能力も備えていることも示唆された。便乗型成虫のマツノマダラカミキリ体内の分布を調べたところ、血体腔や生殖器官へ侵入しておらず、生存や繁殖に影響するような効果は期待できないと考えられた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究では、マツノザイセンチュウ近縁2種の寄生型成虫の、本来の媒介昆虫ではないマツノマダラカミキリへの導入を通して、防除素材としての有効性を評価しようとした。寄生型成虫はマツノマダラカミキリの血体腔や生殖器官に侵入せず、生存や繁殖などの影響も確認されなかった。マツノザイセンチュウ近縁2種を用いた防除技術開発という目標の達成には至らなかったが、生態や生活環における位置づけという寄生型成虫(便乗型成虫)に関する成果は、マツノザイセンチュウを含めBursaphelenchus属線虫と媒介昆虫の相互の関係性を理解する上で貢献するものとなるであろう。
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