研究課題/領域番号 |
19K15896
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分40030:水圏生産科学関連
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研究機関 | 島根大学 |
研究代表者 |
川井田 俊 島根大学, 学術研究院環境システム科学系, 助教 (60743581)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2021年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2019年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | 塩性湿地 / 底生動物 / 群集構造 / 餌環境 / 立体構造 / 成長率 / 安定同位体比 / セルロース分解酵素 / 野外操作実験 |
研究開始時の研究の概要 |
塩性湿地には多くの底生動物(以下,ベントス)が生息し,様々な生態系機能を有する重要な場所であると言われている。しかし,塩性湿地がベントスの生息場(たとえば餌場や隠れ家,避難場)としてどのように機能しているのかということを直接的に検証した例はまだまったくないのが現状である。そこで本研究では,三重県の塩性湿地において,ベントスを対象とした多角的な野外実験(摂餌実験・構造物実験・捕食圧実験)を行うことによって,ベントスの生息場としての塩性湿地の機能を総合的に評価する。
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研究成果の概要 |
本研究は,耐塩性の抽水植物が生育する塩性湿地が底生動物(以下,ベントス)の生息場としてどのように機能しているかを多角的な野外実験により評価することを目的としている。研究の結果,塩性湿地には絶滅危惧種を含めた多様なベントスが生息していることがわかった。さらに,塩性湿地は巻貝類の好適な餌場として機能しているとともに,立体構造物の存在が表在性ベントスの隠れ家となることで,ベントスの高い種数や個体数が維持されていることが実証された。以上のことから,塩性湿地の隠れ家・餌場としての複合的な機能が沿岸域のベントスの多様性を維持するうえで重要であることが示された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
耐塩性の抽水植物が生育する塩性湿地は,絶滅危惧種を含む多様なベントスの重要な生息場となっている。しかし,塩性湿地ではこのような重要性に関する定量的な知見は極めて限られており,世界的に破壊の進む塩性湿地の保全活動を推進するうえで大きな障壁となっている。このような状況に対し,本研究はベントスの隠れ家・餌場としての塩性湿地の機能を多角的な野外実験により数値的に明らかにしたものであり,塩性湿地を対象とした保護区の設定や開発案件における保全上の配慮を促すための定量的なエビデンスとなることが期待される。
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