研究課題/領域番号 |
19K15901
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分40030:水圏生産科学関連
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研究機関 | 慶應義塾大学 (2021-2022) 沖縄科学技術大学院大学 (2019-2020) |
研究代表者 |
杉本 親要 慶應義塾大学, 法学部(日吉), 助教 (00813718)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
3,770千円 (直接経費: 2,900千円、間接経費: 870千円)
2021年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2020年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2019年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
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キーワード | 頭足類 / 高次認知能 / コミュニケーション / 空間認知 / ダンゴイカ / 知性 / 進化 / 認知能 |
研究開始時の研究の概要 |
イカやタコを含む頭足類は、高度に発達した脳や眼、神経制御可能な無数の色素胞といった情報処理基盤に基づき、視覚コミュニケーションや観察学習などの高次認知能を示す。頭足類がなぜこのように発達した「知性」を獲得するに至ったのか未だ謎である。これまで、タコ類の示す観察学習が頭足類知性の代表とされ、イカ類との間にある大きな変異は注目されなかった。そこで本研究では、イカ類とタコ類の中間的な系統的地位を占めるダンゴイカ類をモデルとし、イカ類が得意とするコミュニケーション能とタコ類が得意とする空間認知能の変異および連関に着目することで、頭足類の知性進化過程の一端を行動学およびゲノム科学により明らかにする。
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研究成果の概要 |
本研究で得られた成果は、ヒトを含む高度な認知能を有する動物が示すコミュニケーション能と空間認知能という軸が、頭足類全体の認知能を統合的に評価する上でも有効であることを示した点で重要である。また、イカ類からタコ類までの間に認められる認知能の変異に対し、ダンゴイカ類を中間モデルとすることで、簡便かつ効率的に行動学的評価が可能な手法を開発するとともに、ゲノム上を広くカバーした遺伝的差異を検出し、比較検討することで、両者間の関連の可能性を示した点で意義がある。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究により、ヒトを含む幅広い動物と対比可能な高次認知能評価のための指標が得られ、コミュニケーション能と空間認知能の変異や連関に関する新たな知見の解明が進むことから、ヒトの認知障害や子供の認知発達などの理解の深化につながるといった社会的意義がある。また、頭足類の高次認知能を体系的に評価できることから、頭足類の行動や生態の理解を促進する点で、資源管理などの水産学分野への寄与も大きい。さらに、頭足類の高次認知能と関連のあるゲノム領域特定に向けた多くの有用マーカー開発につながることから、無脊椎動物を始め多くの動物の行動とゲノムとの関連理解のための有用な知見となり、ゲノム科学や進化学への貢献も大きい。
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