研究課題/領域番号 |
19K15902
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分40030:水圏生産科学関連
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研究機関 | 沖縄科学技術大学院大学 |
研究代表者 |
座安 佑奈 沖縄科学技術大学院大学, マリンゲノミックスユニット, 客員研究員 (50746691)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2022年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2021年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2019年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | ストレス応答 / 遺伝子発現 |
研究開始時の研究の概要 |
近年頻発している海水の異常高水温によるサンゴの白化の際に、同種内でも白化しない群体と白化して死滅する群体が同所的に観察されている。 本研究の目的は、同種内・同所的に生息するサンゴ群体の生死を分けるのは具体的にどのような遺伝的違いによるものであるかを明らかにすることである。高水温条件に対して群体間にどのような応答の違いがあるのか、高水温耐性は親から子へ遺伝するのか、高水温耐性のある群体はどのような遺伝的特性を持っているかを明らかにしていく。
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研究実績の概要 |
サンゴの持つ蛍光色(蛍光タンパクや色素タンパク)には、紫外線吸収阻害効果をもつ可能性や、抗酸化剤としての機能や代謝機能との関連が示唆されている他、プラヌラ幼生の段階では褐虫藻の誘引や着底とも関わると言われている。また養殖者の間で経験的に、蛍光色の強いサンゴは高水温時の生存率が比較的高いとも言われている。 先行研究でサンゴの高水温耐性には緯度変化がみられ、母方遺伝の影響が強い可能性が示唆されている。しかし白化の程度や生存率の違いには同所的な違いも見られる。同所的なサンゴ群体間は、親の蛍光色の違いによって子の高水温耐性に違いが見られるのかを検証するため、褐虫藻に感染する前のウスエダミドリイシAcropora tenuisのプラヌラ幼生を27℃、30℃、33℃の各水温条件に晒し、その生存率を比較することで、サンゴ幼生自体の高水温耐性を確認した。 群体や枝先の色味が異なるウスエダミドリイシ6群体の産卵時に、卵と精子を分離し、人為的に掛け合わせた。プラヌラ幼生は褐虫藻の感染なしで、計測及び水換え時以外は、暗黒条件下に置いて飼育した。 各掛け合わせごとに30匹から90匹ずつの幼生を使用し、7日後までの生存率を比較した。 水温33℃条件下では掛け合わせ間で生存率に有意に違いが見られた。実験中のプラヌラ幼生は遺伝子発現を比較するため液体窒素を用いて固定し、RNAを抽出し、RNA-seqで得られたデータを解析した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当該年度は主にRNA-seqで得られたデータの解析及び全体のまとめを行なった。当該年度に明らかになったこととして、生存率に見られた違いと同様に、水温33度条件下では、高水温耐性があるタイプとないタイプの間で遺伝子発現においても変動が見られた。さらに両タイプの間でストレスに応答して増加または減少する度合いが異なっていた遺伝子の数を推定した。当該年度は研究活動の一時中断を挟み、大きな進展があったとは思えないが、研究全体としてはおおむね順調に進展していると言える。
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今後の研究の推進方策 |
同所的なサンゴ群体間は、親の蛍光色の違いによって子の高水温耐性に違いが見られるのかを検証するため、褐虫藻に感染する前のウスエダミドリイシAcropora tenuisのプラヌラ幼生を27℃、30℃、33℃の各水温条件に晒し、その生存率を比較した。その結果、サンゴ幼生自体の高水温耐性を確認できた。その生存率には有意に差が見られ、遺伝子の発現の度合いにも違いが見られた。実験及び解析はおおむね終了しつつあるため、今後はまとめた結果を論文にして投稿予定である。研究費は英文校閲、投稿料および機会があれば学会での発表等に充てる予定である。
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