研究課題/領域番号 |
19K15905
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分40030:水圏生産科学関連
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研究機関 | 国立研究開発法人水産研究・教育機構 |
研究代表者 |
西嶋 翔太 国立研究開発法人水産研究・教育機構, 水産資源研究所(横浜), 研究員 (50805116)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
2,600千円 (直接経費: 2,000千円、間接経費: 600千円)
2020年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2019年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | レジームシフト / 水産資源 / 状態空間モデル / 隠れマルコフモデル / 生物学的管理戦略評価 / 最大持続可能生産量 / 管理基準値 / 密度効果 / 再生産関係 / 管理戦略評価 / 最大持続生産量 / 乱獲 / リスク評価 |
研究開始時の研究の概要 |
マイワシ、カタクチイワシ、マサバ、スルメイカ、これらは我々の食卓に欠かせない水産資源であると同時に、環境影響によって資源量や漁獲量が大きく変動する資源である。この大きな変動自体は広く認められているものの、変動パターンを事前に予測することは困難であり、これらの資源を安定かつ効果的に利用可能な管理戦略はいまだに見つけられていない。本研究では、環境影響による変動が激しい水産資源を対象に資源評価モデルと管理戦略の開発を行う。
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研究成果の概要 |
生産性のレジームシフトを示しうる水産資源の資源評価の改良と管理戦略の検討を行った。マサバ太平洋系群を対象にしたシミュレーションモデルを開発し、現在使用されている資源評価モデルよりも、状態空間資源評価モデル方がパラメータの推定精度が高いことが明らかになった。次に、マサバ太平洋系群を対象に、加入後の密度効果を組み込んだ管理基準値を検討し、これにより効率的な漁獲が可能になることが示唆された。また、スルメイカを対象にした状態空間資源評価モデルを開発し、再生産関係のレジームシフトの検出に取り組んだ。さらに、我が国の32魚種系群の水産資源を対象に、隠れマルコフモデルによるレジームシフトの検出に取り組んだ。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
水産資源評価モデルの改良のため、状態空間資源評価モデルの開発や改善に取り組み、信頼性の高い生物学的許容漁獲量の算出が可能になった。状態空間モデルや隠れマルコフモデルといった高度な統計モデルによるレジームシフトの検出に取り組み、我が国資源の加入量変動メカニズムの理解の一助となった。加入後の成長や成熟率の密度効果を管理基準値の計算に含めるという考えは国際的に見ても新しい取り組みであり、これにより効率的な漁獲が可能になることが示唆された。本課題で開発した加入後の密度効果を管理基準値計算に組み込む手法は、資源評価のデータと結果に基づいており、水産業の持続性と水産資源の持続的利用に貢献しうる成果である。
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