研究課題/領域番号 |
19K15907
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分40040:水圏生命科学関連
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
宇治 利樹 北海道大学, 水産科学研究院, 助教 (00760597)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2020年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2019年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
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キーワード | 海苔 / スサビノリ / 植物ホルモン / リン脂質代謝 / シグナル伝達 / エピジェネティックス / アマノリ / 1アミノシクロプロパンカルボン酸 / 有性生殖 / エチレン |
研究開始時の研究の概要 |
海藻の持続的な生産のためには、これらの繁殖戦略を理解した上で、藻場の保全や増養殖を適切に行っていく必要がある。海藻において繁殖が成功するためには、最適なタイミングで生殖することが重要である。そのため、海藻は外界の環境の変化を感知することで、成長から生殖の転換を厳密に調節していると考えられているが、これらの制御機構は不明である。そこで本研究では水産重要種であるスサビノリを材料とし、植物ホルモンの1種であるエチレンの前駆物質、1-アミノシクロプロパンカルボン酸(ACC)が本種の有性生殖の制御にどのように関与しているのかをACCのシグナル伝達系などの解析を通して、明らかにするものである。
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研究成果の概要 |
本研究では、海苔の原料であるスサビノリの有性生殖や酸化ストレス応答を制御する植物ホルモンであるエチレンの前駆物質1-アミノシクロプロパン-1-カルボン酸(ACC)のシグナル伝達系やその応答に関与する遺伝子発現制御機構の解明を行ったものである。研究の結果、ACCの受容体がグルタミン酸受容体である可能性があること、ACCのシグナル伝達には、ホスホリパーゼDを介したリン脂質代謝による情報伝達が関与していること、DNAのメチル化やヒストンのアセチル化やメチル化といったエピジェネティックな制御がACCの応答に重要であることなどが明らかとなり、海藻において初めて、ACC応答の分子機構を解明した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
海藻類においては陸上植物で知られている幾つかの植物ホルモンが同定されているものの、それらの生理作用や応答機構は不明である。本研究において海苔の原料であるスサビノリの有性生殖やストレス応答を制御する植物ホルモンの分子機構の一端が明らかとなった。これらの知見は、不明な点が多い海藻の植物ホルモンの役割を理解する上で重要であると共に、海苔の品種作出のための有用な知見であると考えられる。
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