研究課題/領域番号 |
19K15911
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分40040:水圏生命科学関連
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研究機関 | 東京海洋大学 |
研究代表者 |
小山 寛喜 東京海洋大学, 学術研究院, 助教 (20746515)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2020年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2019年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
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キーワード | D-アスパラギン酸 / アスパラギン酸ラセマーゼ / スルメイカ / 視神経節 / 発現クローニング |
研究開始時の研究の概要 |
タンパク質を構成するアミノ酸には、グリシンを除いて互いに重なり合わない一対の鏡像異性体が存在する。生体内に存在するアミノ酸の大部分はL体であるが、その鏡像関係にあるD体も微量ながら存在することが明らかとなってきた。とくにD体のアスパラギン酸は神経伝達物質としての機能が示唆されるとともに、アスパラギン酸ラセマーゼと呼ばれる酵素によりL体のアスパラギン酸から生合成されると考えられている。しかしながら、多くの生物において、この酵素の遺伝子は未知である。 したがって本研究では、視神経節の発達したスルメイカを試料として用い、アスパラギン酸ラセマーゼ遺伝子の同定および酵素学的諸性質の解明を行う。
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研究成果の概要 |
頭足類の神経系には多量のD-アスパラギン酸(Asp)が蓄積し、神経伝達物質としての機能が示唆されているが、その生合成酵素であるアスパラギン酸ラセマーゼ(AspRase)をコードする遺伝子は同定されていなかった。そこで本研究では、スルメイカを試料として用い、その視神経節からAspRase遺伝子のクローニングを試みた。その結果、AspRase候補遺伝子がクローニングされた。大腸菌を用いたリコンビナントタンパク質として発現を行い、L-Aspを基質とした酵素反応を行った結果、D-Aspの生成が認められたため、新たにクローニングされた遺伝子はスルメイカのAspRase遺伝子であると結論付けられた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
神経系に存在するD-アスパラギン酸(Asp)は神経伝達物質としての機能のほかに神経疾患への関与も示唆されている重要なアミノ酸である。したがって、D-Aspの機能の詳細を調べるためにはその代謝経路を知ることが重要であるが、哺乳類や頭足類においては、その生合成に関与する酵素であるアスパラギン酸ラセマーゼが同定されていなかった。本研究によりAspRaseをコードする遺伝子がスルメイカからクローニングされたため、哺乳類のAspRase遺伝子も同定される可能性があり、D-Asp研究の更なる発展が期待できる。
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