研究課題/領域番号 |
19K15912
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分40040:水圏生命科学関連
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研究機関 | 宮崎大学 |
研究代表者 |
宮西 弘 宮崎大学, 農学部, 助教 (30726360)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2020年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2019年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
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キーワード | メダカ / 浸透圧調節 / 塩類細胞 / 分化 / トランスクリプトーム解析 / 1細胞解析 / 広塩性 / トランスクリプトーム / 環境適応 / 分化誘導因子 / 分化誘導シグナリング |
研究開始時の研究の概要 |
魚類には、川(淡水)でしか生きられない魚、海(海水)でしか生きられない魚とサケやウナギ、メダカの様に川と海の両方で生きられる魚が存在します。塩分の違う環境で生きるためには、塩分を調節することが必須であり、鰓に存在する塩類細胞が淡水では不足する塩分を取り込み、海水では塩分を排出します。この両方の機能を決める遺伝子を見つけることで、なぜ魚が川や海で生きられるのかという疑問を解決することができるはずです。この研究を発展させ、様々な塩分環境で養殖できる魚を調べる指標を見つけ、魚の増養殖の活性に繋げます。
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研究成果の概要 |
魚類の浸透圧調節は体内環境の恒常性の維持に重要であり、その機構の解明は魚類の健全な育成を目指す上で資するところが大きい。魚類は主に淡水および海水という体内とは異なる浸透圧環境に生息しているため、水圏環境での生存には主にNa+とCl-などの塩分調節が必要不可欠であり、その機能を担うのが鰓などに分布する塩類細胞である。本研究で、新たな塩類細胞の分化誘導に関わる遺伝子群を同定した。これらの成果は、「なぜ魚類が異なる塩分環境に適応できたか?」という問に迫れる可能性を示し、淡水および海水適応マーカーとして評価し、多様な塩分環境での増養殖を活性化する技術開発に向けた基盤確立に寄与できる。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
塩類細胞分化誘導因子を新規に同定し、そのシグナリング機構の全容を分子レベルで解明することに挑んだ。海洋環境に生息する魚類・爬虫類・鳥類の持つ塩類排出器官におけるイオン排出モデルは共通している。よって、魚類の海水型塩類細胞の分化誘導機構を解明することは、なぜ生物が海水への適応能力を得たかという根源的な疑問に一石を投じるものである。また、ヒト内耳にも魚類の塩類細胞と相同な細胞が哺乳類の内耳におけるリンパ液の浸透圧調節を担う点で共通性があり、メニエール病や内耳性難聴となるペンドレッド症候群の原因遺伝子の解明に寄与できる。本研究課題は、理学・水産学および基礎・臨床医学分野へも学術的波及を生み出せる。
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