研究課題/領域番号 |
19K15914
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分40040:水圏生命科学関連
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研究機関 | 国立研究開発法人水産研究・教育機構 |
研究代表者 |
松浦 雄太 国立研究開発法人水産研究・教育機構, 水産技術研究所(南勢), 研究員 (40823894)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2021年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2020年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2019年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | NK細胞 / 細胞性免疫 / ギンブナ / ナチュラルキラー細胞 / 細胞内寄生細菌 |
研究開始時の研究の概要 |
魚類養殖において、細胞内に侵入し増殖する細胞内寄生細菌やウイルスによる感染症が大きな問題となっている。特にブリ類のノカルジア症は、国内で発生する魚病被害額の15~30%に匹敵するほどの甚大な経済損失をもたらしており、対策が求められている。これら病原体に対する感染防御に重要な役割を担うリンパ球として、ナチュラルキラー(NK)細胞が知られているが、魚類におけるNK細胞の特性や機能は不明である。本研究では、これら感染症におけるNK細胞の役割やその免疫機構解明を目指す。さらに、NK細胞の活性化を指標とした細胞性免疫誘導性の免疫賦活剤開発を行い、養殖魚の感染症被害軽減を目指す。
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研究成果の概要 |
魚類養殖で問題となる細胞内寄生細菌やウイルスによる感染症に対する感染防御に重要な役割を担うリンパ球として、ナチュラルキラー(NK)細胞が知られているが、魚類におけるNK細胞の特性や機能に関する研究は不十分である。本研究では、実験モデルとしてギンブナを用い、NK細胞の解析を可能にする魚類NK細胞マーカーを見出し、抗体の作製など、NK細胞を用いた研究を進めるための基盤的技術を確立した。また、NK細胞の純化技術確立のため、魚類白血球に対する不死化遺伝子導入技術を開発した。最後に、細胞性免疫を誘導する免疫賦活剤としてEnterococcus faecalisの加熱死菌を見出した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
NK活性を有する細胞集団を同定し、その集団でのみ高発現している遺伝子をマーカーとして活用するというアプローチは魚類の先行研究にはない新規手法である。これまでの魚類NK細胞研究は、クローンや近交系の存在しない魚種が用いられ、遺伝的に均一な細胞の準備ができないため、養子移入実験などの実施が困難であった。本研究でクローンギンブナに対する研究ツールを開発できたことは、養子移入実験などこれまで解析出来なかった魚類NK細胞の役割を解明する上で非常に重要である。本研究で見出した免疫賦活剤は、現在養殖の現場で問題となっている細胞内寄生細菌等の感染症に対する防除技術として利用でき、社会的意義が大きい。
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