研究課題/領域番号 |
19K15915
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分40040:水圏生命科学関連
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研究機関 | 国立研究開発法人水産研究・教育機構 |
研究代表者 |
辰野 竜平 国立研究開発法人水産研究・教育機構, 水産大学校, 講師 (70771872)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2020年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2019年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | トラフグ / テトロドトキシン / 毒結合タンパク質 / PSTBP / TTX / 成長 / 成熟 / フグ毒結合タンパク質 / 抗体 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究はトラフグ体内における毒輸送機構の解明を目標とし,毒の輸送に関わると考えられている毒結合タンパク質複合体の多様性と主要な毒蓄積部位の変動を解析することで目標達成を目指す.実験内容としては,雌雄や成長段階などの条件が異なるトラフグを試料として,毒結合タンパク質の遺伝子群の発現解析を行うこと,血液中に存在する毒結合タンパク質複合体の性状を明らかにすること,などを通して毒の蓄積部位との関連を解析する.
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研究成果の概要 |
トラフグのTTX非保有個体(約1,600 g)にTTX含有餌料を経口投与したところ、消化管から取り込まれたTTXは肝臓もしくは卵巣に蓄積された。雌個体は雄個体より肝臓に蓄積されたTTXの量が少なく、その差は卵巣へのTTX蓄積が要因だと推察された。自然環境から採取したトラフグ(約2,000 g)の雌個体および雄個体から血液を採取し、フグ毒結合タンパク質(PSTBP)の抗体を用いたウエスタンブロット法に供した。その結果、複数のバンドが得られ、70~100 kDaのサイズでは既報とほぼ同サイズのバンドが得られた。一方で、それ以下のサイズでは既報よりも一つもしくは二つほど多く、バンドが検出された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
トラフグ属魚類は特定部位に多量のテトロドトキシン(TTX)を蓄積するが、それを担う分子機構は明らかになっていない。その点を解明するため、トラフグのTTX蓄積部位と毒結合タンパク質(PSTBP)に関する調査を実施した。その結果、成熟個体は肝臓もしくは卵巣が主要な蓄積部位であること、肝臓は雌個体の方が蓄積量が少なくその分は卵巣に蓄積されたことが推察された。トラフグの主要なTTX蓄積部位が成長、成熟段階で異なることは、トラフグを研究する上で重要な基礎知見となる。また、段階の異なる個体でPSTBPの構成に差があることも明らかとなり、今後の研究に貢献しうる知見が得られたことは学術的、社会的意義がある。
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