研究課題/領域番号 |
19K15927
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分41020:農業社会構造関連
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研究機関 | 兵庫県立人と自然の博物館 (2020-2022) 神戸大学 (2019) |
研究代表者 |
衛藤 彬史 兵庫県立人と自然の博物館, 兵庫県立人と自然の博物館, 研究員 (50778454)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2022年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2021年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2020年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2019年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 地域資源 / ローカル・コモンズ / コミュニティ・ガバナンス / 農村計画 / 動態化 / 生産消費 |
研究開始時の研究の概要 |
持続可能性や循環型社会への国際的な関心が高まる中、農山村の有する資源の価値は再評価されつつある。そうした資源は、これまで集落や生産組織といったコミュニティの補完的役割により運営されてきたが、一次産業の衰退と既存コミュニティの弱体化が進む今、資源管理を担う新たなコミュニティの台頭が待たれる。 本研究では、異なる複数の資源を対象に、資源運営の補完的役割を果たす存在として期待されるコミュニティの形成過程における課題や要点を明らかにする。結果をふまえ、縮減社会において持続的な資源運営を可能にするコミュニティ・ガバナンスのあり方を考察する。
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研究成果の概要 |
異なる複数の地域資源の管理事例における管理体制に共通する要因を、「動態化」の概念を補助線に明らかにした。分析結果として、本来果たすべき政府の役割と市場性がともに弱まっており、地域資源管理がコミュニティによる統治(ガバニング)に大きく依存していることがガバナンスの構築に向けた課題であることを実証的に示した。 その上で、ガバナンスの形成に向けて求められる方向性について、特にストック的な自然資源の保全に生産消費経済を取り込むことの有用性を示した。本研究を通じて、ガバナンスの観点から地域資源の管理不全問題を捉え、複雑な課題群の発生要因を特定するとともに、形成に向けた課題と、現実解を示すことができた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究による成果は,まず,1990年以降,体系的かつ実証的な研究が立ち遅れていたといわざるを得ない地域資源管理論分野において,横断的な管理事例に関する調査に基づき,主に経済学および社会学における新たな方法論および知見の援用を通じて,地域資源管理論の刷新を試みた点で学術的意義は大きい。また,実証に基づき理論化を試みており,地域資源の管理不全という社会課題に対して,国内のみならず,同様に今後人口減少を迎える諸外国での知見の援用を企図しているため,社会的意義もまた大きいと考えている。
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